12話
電話を受けた俺は、私服に着替えて、あいつらがいる羽沢喫茶に向かった。
しばらくすると、目的地の羽沢喫茶に着いた。
カランッ
「いらっしゃいませ!あ、結城さん!こんにちは!」
「おう、つぐ、こんにちは。ここに千聖たちが来てると思うんだが」
「千聖さんたちはいま私の部屋にいますので、ご案内しますね」
「こっちにいねーのか?」
「時間がかかるかもしれなかったので、私の部屋で待ってもらっていたんです」
「そうか。なら呼んできてもらえるか?」
「いえ、結城さんも一緒に行きましょう。そのほうが皆さん嬉しいですから・・・それに私の部屋も見てもらいたいし」
「?つぐ、どうかしたか?」
「!いえ、なんでもないですよ。それじゃあ行きましょう」
「あいよ」
そう言って俺はつぐについていった。
目的のつぐの部屋に着くと、中から楽しそうに談笑している声が聞こえてきた。
つぐはノックをし、扉を開けた。
「みなさん、結城さんが来られましたよ」
つぐがそう言うと、三人はこちらを向いた。向いたと同時にそのうちの一人が俺を見つけるなり、俺に抱きついてきた。
「ユウキさん!こんにちはです!」
「挨拶同時に抱きついて来てんじゃねーよ」
俺はそう言って、腰らへんに抱き着いている、イヴを引きはがした。
「イヴちゃん、いきなりそんなことしちゃ結城さんが困っちゃうわよ」
「そうだぞ。お前らはアイドルなんだから、そんな簡単に抱き着いちゃいかんぞ」
「そうだよイヴちゃん!抱き着くなんてずるいよ!私もする!」
「このポンコツアイドル、今さっき言ったばかりだろうが。はなせこら、イヴお前またか、おい千聖、っておいこら千聖、お前はこっち側だろうが!なに一人じゃないから大丈夫だ?んなわけあるかーーー、つぐ!こいつら剥がすの手伝ってくれ!」
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しばらくして、ようやく剥がすことが出来た。
ちなみに今三人は正座中だ。つぐにお礼としてなにかしてほしいかと聞くと、頭を撫でてほしいとのことだったので、撫でてやった。
「たく、お前ら、もうちょっとアイドルとしての自覚を持たんかい。こんなんが外に出たらどうなることやら」
「結城さん!」
「ん?どうした千聖?」
「バレなきゃ犯罪じゃないんですよ!」
「・・・・・何をそんなドヤ顔で意味不明なこと言ってんだ」
「あはは、でもみなさん反省してると思いますし、この辺で許してあげてはどうですか?」
「まぁそうだな、次からは気をつけろよ」
「「「はい、次からは場所を選んでから抱き着きます」」」
「こいつらホントに反省してるのか?」
「あはは・・・・たぶん・・」
俺とつぐはこいつらの態度に苦笑いをして、この騒ぎは終わりとなった。
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