17話
「ただいまー、結城いる?」
そう言って姉貴が帰って来た。どうやら仕事を終えたようだ。
「おう、お帰り。仕事の方はもう大丈夫だったのか?」
「ええ、無事に終わったわ。風の事、ありがとね」
「ああ、気にすんな、特に大変でもなかったしな」
「あらそう?それよりもこの子達は?」
「うーーん、知り合いかな?たえは姉貴も知ってるだろうがな」
「あら、たえちゃん来てるのね、それに私が知っている子もちらほらいるみたいね」
「??そうなのか?」
「ええ、あの子達は同じ事務所なのよ。まぁ部署は違うけどね」
そう言った姉貴が指す方を見てみると、パスパレを指していた。
「ああ、そっか、こいつらそういやアイドルだったな。忘れてた」
「忘れてたって、あなたね・・・」
そんな感じで姉貴と喋っていると、他の奴らがなんかあわあわしだした。
「お前らどうした?そんな顔して」
俺がそう言うと
「「「「「お姉さんって、豊川京香さんなの!?」」」」
「「「「??????」」」」
なぜか知らんがやたらと驚かれたが、数名は頭に?を浮かべていた。
「そうだが・・・、それがどうかしたのか?」
「いや、だって、京香さんだよ!あの!」
「なんだ、そんなにすごいのか?」
「すごいなんてもんじゃないですよ!豊川京香さんって言ったら、今のモデル業界でトップに立っている人なんですよ?今、世界で注目を集めている人なんですよ!!」
そう言って彩が力説してきて、それに賛同するように、リサ、千聖、沙綾、花音、ひまりがものすごい勢いで頷いていた。
「そうなのか。興味ないから気にもしたことないからな。モデルやってるってのは聞いたことあったがな」
「あんたホントに芸能とかに興味ないわよね」
「まぁな、そういやイヴもモデルやってるんじゃなかったか?」
「は、はい!覚えていてくれたんですか?」
「ああ、まぁ今思い出したがな」
そんな会話をしていると、リサがおずおずと手を挙げて
「あの、すみません・・・もしよかったらサインとか頂けないでしょうか?」
と、姉貴にサインを求めた。
「サイン?良いわよ!じゃんじゃん書いちゃうわよー!」
そういやこの人こういう事は大好きだからな。
その後しばらくは姉貴のサイン会が行われた。俺はずっとソファーに座っていた、なんせ風とミユが膝の上で寝ているからな。
「それ終わったら一緒に飯食っていけば?」
「そう?ならご一緒させてもらっちゃおうかな」
そうして姉貴も加えて、飯を再開した。
「そう言えば彩ちゃんって自分なりの挨拶あったわよね?やってみてよ!」
「え!ここでですか!?えっと・・・あ!そう言えば結城さんは覚えてもらえてますか!?」
「彩ちゃん逃げたわね」
「逃げたね」
「逃げたっすね」
「は?俺?・・・・・ああ、覚えてるぞ」
「「「「「「今の間は一体」」」」」」
「えっとたしか、まんまるお山に彩を、脳内ピンクの丸山彩でーす!だったか?」
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