そして私は毒を盛る
まあいいか。
美味いの作れば合格だろうし。
そして私は森の方へと歩き出した。
「大漁♪大漁っと♪」
私は歌いながらホクホク顔で森を歩いていた。
手に持っている籠がわりの帽子の中には色とりどりのたくさんのキノコが盛られている。
中々豊かな森らしい。
例の超キノコも取れたし、他にも色々と美味しいキノコが取れたので万歳だ。
余るようなら私の夜食にしよう、そうほくそ笑み、皮算用しながら先ほどの調理場まで戻っていると何か騒がしい声が聞こえた。
「ざけんなテメー!一流の寿司職人になるまで10年はかかるって言われてんだ!それを貴様らのようなトーシローが少し頑張った程度で作れるか!」
「だったら、なんでこんな試験にしやがった!」
「っせーよ!コラ!ハゲ!殺すぞ」
調理場の中に入ると試験官のメンチがハゲ頭の男の襟を掴みながらガミガミと叱りつけている。
そこで私は失敗に気が付いた。
そういやあの同郷の忍者が試験の答えバラしたせいで味で審査する事になったんだった。
そして、すごすごと忍者は去っていくと、他の受験者達は作った寿司を持ってメンチの元へと殺到する。
「や、ヤバイぜ。早く出さないと味がどうとか言ってる場合じゃ無い」
私は焦りながらも採ってきたキノコに魔力を使って火を通していく。
流石に火を起こしている暇はなさそうなので急遽、魔力を使う事にした。
私が魔力を込めると、それに覆われているキノコからいい匂いが漂っていき火が通っているのが分かる。
え?それ変化系じゃねえのって?
……そうだよ。
放出系で大体使える魔法は空飛ぶのとか念弾飛ばすのとかで相性良くて運が良かったけど、何から何までそういうわけにはいかなかった。
だって、例のアレは熱と光をレーザーみたいに飛ばすやつだし仕方ないだろ!
それに魔法の初歩でイメージするのは某りゅうおうを倒しにいく例のアレに出てくる○ラとか、最後の幻想的な作品に出てくる○ァイアだし、多分アレをイメージしていなくても、きっとこの手の変化系は身につけたと思う。
電気に変化させたり、冷気にしたりとかそんな感じで。
習得に何年かかるか分からないけどな。
実際これ身につけるまでに5年。
豚の丸焼き作れるくらいの火力を得るまでにそこから2年くらいくらいかかっている。
まあ別にそればかりしていたわけじゃ無いけれども、それだけに専念したとしてもかなりの時間を要するだろう。
そうこうしているうちにキノコに火が通ったので、すぐに短冊型に切り一口大に握ったシャリの上に乗せ皿に盛る。
しかし時すでに遅く、その寿司は試験官が食す前に試験は終了した。
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