ハーメルン
ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです
第17話バカっていう方がバカ
「いらっしゃい」おじちゃんは普段のお客と何ら変わらない態度でデカい蜥蜴を出迎える。
「ム、キタ」蜥蜴は片言で返事をすると
「オムライス、オオモリ。オムレツ3コ、モチカエリ」指を一本立てて注文を伝えてきた、固まるあちしを尻目に若店主はおじちゃんと一緒に準備を始める。
「実はこの店、土曜日だけ異世界に通じていてな。向こうのあちこちに入り口ができてるそうなんだ」若店主があちしにこの店の秘密を教えてくれた、そりゃ茜ちゃんも言い淀むハズよね。そういえば今日は彼女なんか家の用があるみたいでバイトには来られないらしいわ、それであちしが交代要員になったみたいね。
続いて入ってきたのは、え?
「カツドンだ!カツドンをくれ!!」体系だけ人間のライオンが大声を上げて椅子にドカッと座った、とりあえすお冷やを出してから出来上がったオムライスを蜥蜴のテーブルへ運んでいくあちし。
「ご、ごゆっくりどうぞ」
「ム、キタカ」スプーンを手に美味しそうに頬張る蜥蜴にあちしは一礼する。
「カツ丼あがったぞ」おじちゃんからカツ丼を受け取ってライオンに差し出すと
「オウ、すまねえな」アラ、見かけによらず礼儀正しいのね。
その後もとんかつとビールを注文してきた○ィ○ニーの映画に出てきそうなジジイにぼろ服姿だけどどことなく品のあるおっさんは大盛りカレーを注文してきた、そうこうしている内に土曜日は過ぎていく。平日とは違う意味で疲れたわ、客足は少ないけどその分くるのはみんな一癖も二癖もある人ばかりだったもの。今日限りで辞めようとも考えたけどおじちゃんがバイト代に色をつけてくれたのでやっぱりしばらく続ける事にしましょ、光ちゃんへのプレゼント代も稼がなきゃだしね。
25日、光ちゃんの17才の誕生日。あちしは前から目をつけていた高級なガラスの置物を購入した、値段は張ったけどそもそもその為にバイトした訳だし。今日は日曜日だけど家にいるかしら?
「はい、陽ノ下です」
「あ、光?忍だけど、今からそっち行ってもいいか?」
「うんうん、待ってるからね!」光ちゃんの家に行ったあちしは彼女に中へ招き入れられてからプレゼントを渡す。
「わぁ、素敵っ。でもこれ高かったんじゃない?」
「あー、光はそんなの気にしなくていいよ」
「へっ?」
「俺は光の喜ぶ顔が見たかっただけだから」
「…バカ」ン?昔こんな事あったわね、まだ引っ越しする前。
~回想シーン~
「忍ちゃん、砂場で遊ぼー」
「うん、トンネル作ろー」
「違うよーこっちから掘るの!」
「そうじゃないよー」
「あ~お山が崩れちゃった」
「光ちゃんのバカー」
「バカじゃないよー、バカっていう方がバカなんだよー」
~回想シーン終わり~
ちょっと違ったわね、でも懐かしいわ。
「…なんて事があったよな」そんな話を持ち出して光ちゃんをからかってみる。
「もう~っ、バァカァ!
アリガト
」さて、光ちゃんも喜んでくれたし当面の目的は果たしたわね。もうすぐ高校生活2度目の夏休み、今年は部活にバイトに勉強に遊びと忙しくなりそうね。
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