ハーメルン
私が希望ヶ峰学園から出られないのはモノクマが悪い!
ようこそ絶望学園(中編)
そう言って、彼女は胸元で腕を組んだ。確か名前は霧切 響子…さんか。
クールな子だな。こんな状況なのに落ち着いている。同じ歳とは思えないや。
「先に進まぬ限り何もわからぬままか…ならば行くしかあるまい」
大神さくらさん、か…同じ歳とは思えないや。
「確かにそうだよ…行くしか…ないか」
便乗かよ。苗木、お前も残ってたのか。お前はさっさと行けよ。
こうして、最後に残っていた私達も体育館に移動することになった。
この時の私は、催しなどさっさと終わらして、早く寮に案内してもらい、
とりあえず、部屋でゆっくりしたいなどと暢気なことを考えていた。
ああ、私は何て甘いのだろう。“奴”が言うところの“デビル甘”だったのだろう。
私はほんの少しも気づくことはなかった。
私達の学園生活は…私達の絶望はまだ始まってすらいないことに―――
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