ハーメルン
私が希望ヶ峰学園から出られないのはモノクマが悪い!
第1章・イキキル 後編②


「ハァ、ハァ」

苦しそうに息をしながら、彼女は顔を上げた。
そして…

「そうか…私は、推理を、真実をそうとらえていたのか。
もしかしたら、これが記憶の鍵になるかもしれない」

…などと意味不明な供述を始めた。

「クッ!!」

その隙に私は走り出す。
霧切さんに背を向けて、どこかに向かって駆け出した。

(また中二病か。今度は記憶喪失設定か、いい加減にしろ!)

彼女を毒づきながら、私は走り続ける。

でも、彼女の言っていることは正しかった。
私は何の覚悟もなかった。
今がどんな状況であるか、本当のところ、まるで理解していなかった。
それを見抜かれていた。
撃ち抜かれてしまった。
まるで、弾丸が心臓を通り抜けるかのように。

霧切さんは、中二病であるが、真実にだれよりも真摯な人だった。
私は、なぜ彼女を苦手としていたのか、今ごろになってようやくわかった。

彼女のあの透き通った瞳。


その瞳に私の浅ましさが全て見透かされてしまいそうな…そんな気がしたから。


(う、ううう…)

私は走る。
行き先もわからぬまま。
彼女の瞳から…真実から逃げるかのように。

[9]前 [1]後書き 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:10/10

[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク
携帯アクセス解析