ハーメルン
私が希望ヶ峰学園から出られないのはモノクマが悪い!
週刊少年ゼツボウマガジン 中編①
ぴギャー!!!!くぁwせdrftgyふじこlp
キュシャァアアアあぼぼぼ簿簿簿ウポポポポポポ歩
ホィヤヤヤヤヤヤ!ヒャァ~ッ!
フィャホーッアビャビャビャびぃしゃしゃシャシャホイサササ
ピーポーピーポービィー!ビィー!ビィー!ビィー!ビィー!ビィー!
脳内に意味不明な文字の羅列が綴られていく中で、けたたましいエラー音が鳴り響く。
シャットダウン寸前の私の脳内で、
過去”やらかした”忌まわしい記憶達がグルグルと渦を巻く。
渦は巨大な竜巻となり、私を飲み込こんだ。
薄れ行く意識の中で、私が思い出すのは、”あの日”の光景だった。
夏休み9日目―――
この日、私は、声優伊志嶺潤のイベント会場にいた。
DVD購入特権であるこのイベントの目玉は、伊志嶺潤さんに握手してもらうだけでなく、
なんと自分の好きな声をアフレコしてもらい、それを録音できるというものだった。
その時の私は
「愛してるよ、智子」
そう言ってもらおうと、緊張して順番を待っていた。
だが、その予定は直前で狂うこととなった。
「お前のことをメチャクチャにしてやる、でお願いします!」
(え、なにそれ・・・!?)
直前の女の子のリクエストに私は内心驚愕した。
公衆の面前でなんとうことをリクエストするのか。
この女・・・恥というものがないのだろうか・・・?
私がその女に軽蔑の視線を向ける中、
伊志嶺潤は笑顔で快くそのリクエストに応じえてみせた。
さすがはプロである。
まさか、こんな内容すら応じてくれるなんて・・・ならば、私も・・・。
そんなことを考えている間に、私の番となった。
手汗まみれの私の手をしっかりと握手する伊志嶺潤さん。
「では、何かセリフのリクエストがあればお願いします」
「え、えーと」
先ほどの無茶なリクエストが脳裏から離れない。
あんな恥知らずな内容でも大丈夫なら、私ももっと大胆なことを言っても・・・。
そんなことを考えている間も現実の時間はどんどん過ぎていく。
は、早く何か言わなければ・・・!
様々なシーンが頭をグルグルと渦巻く。
(こ、こうなったら、いっそまとめて―――)
「このメス豚が臭い体しやがって・・・なーんてね嘘だよ。
本当は智子の髪すごくいいにおいがするよ。
それにほらすごくサラサラ愛してるよ、でお願いします・・・」
「わかりました」
「あ、すいません」
こんなリクエストにも爽やかな笑顔で応えてくれた伊志嶺潤さんはプロの中のプロだと思う。
なお、周りが完全にドン引きしていたのは説明するまでもない。
その夜、興奮さめやらぬ私は、
何を考えたのかゲームの音声とこの録音した声と自分の音声を合わせて自家製のドラマCDの制作を始めた。
「やあ、目が覚めたかな?メス豚め、ずっとここに閉じ込めてやる」
「離して、あなたなんか大嫌い~」
「嫌いな男に身体の自由を奪われるのはどんな気分だい?」
「縄をほどいてーどこをさわって、お~」
「智子の髪、すごくいい匂いするよ」
「やめてー匂いかいじゃやだー」
「これでずっと一緒だよ」
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