ハーメルン
私が希望ヶ峰学園から出られないのはモノクマが悪い!
第1章・自由時間3時限目

苗木を個室まで送った私とチャラ男がみんなの所に戻ると、みんなはすでに次の行動の方針を決めていた。

「よし、それでは各自、この建物から脱出できそうな箇所を見つけよう!集合は食堂に7時とする。では、解散!」

超高校級の“風紀委員”である石丸君が、すでに仕切り始めているのが、少々ウザイが余計な話し合いが省かれたのは正直、助かる。

「じゃあ、私と一緒に探そう!さくらちゃん」
「うむ」

朝日奈さんと大神さんが一緒に食堂から出て行き、後は、各自が単独で移動し始める。
食堂にひとり、取り残された私は、とりあえず、どう行動しようか思案する。

(…自分の個室にでも行ってみようかな)

苗木を運んで行った時に見つけた「クロキ」というネームプレートとドット絵が貼られていた部屋。あれがきっと私の個室に違いない。ちょっと、部屋で休んでから調査に出かけよう。RPGではそれが王道だ。ひとり納得しながら、私は、自分の個室に向かった。


◆  ◆  ◆


「ふーん、苗木の部屋とあまり変わらないな…」

それがドアを開けた時の第一印象だった。
窓の部分はやはり鉄板で塞がれており、部屋の中央にベッドがあるという基本構造は苗木の部屋と相違ない。机の上にはメモ帳が置かれており、テーブルにはこの部屋の専用キーがあった。違いといえば、タンスが大きいくらいかな。中をあけて見ると、下着やらパジャマやら就寝に必要な備え一式が入っており、どうぞ泊まってくださいとアピールしている。

「ふう…」

私は、とりあえずベッドに座ると、そのまま重力の任せるままに、横に上半身を倒した。
シルクの感触が冷たくて気持ちいい。ここに来るまでまさに、嵐と落雷の中を疾走していたといっても過言ではない。それほどに私の精神は疲弊していた。
だからこそ、訪れたこの一人きりの時間。この静寂は、何物にも代え難かった。
ん?集団の中でも一人だろ?とか呟いた奴、ちょっと表にでようか。

「ん?なんだろう、アレは…?」

今までのことを考えながら、呆けていると、壁に何かが貼り付いていることに気がつく。疲れて重い身体をベッドから起こし、壁に近づくと、壁には一枚の紙が貼り付いていた。


「モノクマ学園長からのお知らせ」


第一文を見て、私は、ウッ…と呻いた。
それは、モノクマからの手紙だった。
この一人きりの空間により現実逃避を行っていた私の精神は、クマ野郎の駄文により、瞬く間に現実に引き戻された。あのクマ野郎…モノクマを操る何者かによって、私は今、監禁状態にあるのだ。再び焦燥感が襲ってくる。私は、イライラしながらもその手紙を読むことにした。何か重要なことが書いてあるかもしれない。最初の下りはシャワーの注意書きだったが、夜時間には水が出ない、ということさえ覚えておけば、あとはどうでもいいものだった。そのまま、読み進めていくと「プレゼント」という単語が目に入ってきた。


…最後に、ささやかなプレゼントを用意してあります。
女子生徒には女子らしく“裁縫セット”を、男子生徒には男子らしく“工具セット”をご用意しました。裁縫セットには人体急所マップも付いているので、女子のみなさんは、針で一突きするのが効果的です。男子の工具セットを使用する場合は、頭部への殴打が有効かと思われます。

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