ハーメルン
私が希望ヶ峰学園から出られないのはモノクマが悪い!
第1章・自由時間3時限目
ドントシンクだ!フィールだ!!レッツエンジョイだ!!
「…フン」
最後の一文にムカつき、私は手紙をクシャクシャに丸め、ゴミ箱に捨てた。
とりあえず、さっきの手紙に書かれていた「プレゼント」を確認するため、私は机の引き出しをあけた。そこには、透明のビニールで包装された裁縫セットがあった。
私は包装を破り、裁縫セットをあける。包装は破れば、二度と元に戻すことができない仕様だ。この裁縫セットが何かの限定品なら、これだけでネットオークションでの価値はだだ下がりとなるだろう。まあ、持ち帰りはしないがな。
「シュッ!シュッ!ハッ!とりゃ!」
針取り出した私は、まるでボクシングのように針を連打する。
裁縫セットの中にあった人体急所マップがあれば、具体的な人体のイメージを構築できる。
とりあえず、チャラ男と大和田、苗木をターゲットとして的確にその急所を突きまくる。
「アホらしい…」
そのことに気がつくのにおよそ数分を要した。
こんなもので人が殺せるはずもない。まあ、毒でもあれば別だが、そんなものはないし、探す気も起きない。なにより、本気で殺害を考えるなら、こんなものは使わないし、また人を殺すなんて冗談ではない。
つまり、この数分はまったくの無駄だ。まあ、運動したと考えて諦めよう。
ちょうど、汗をかいたこともあり、私はシャワーを浴びることにした。
「ここには監視カメラはないみたいだな…」
シャワー室の隅々を調べる。
ここには、部屋と違って監視カメラはないみたいだ。
ドアをロックできるようだ。そういえば、あの手紙にそんなことも書いていたな。
私は、水とお湯がでることを確認し、シャワーを浴びることにした。
シャワー室には、シャンプーとボディソープが備えつけられており、とりあえずそれを使うことにした。普段使っているお気に入りではないのが残念だが、贅沢はいってられない。モノクマの爆発に巻き込まれて、煤だらけになった頭を早く洗いたかった。
時間にして、30分ほど入っただろうか、部屋には監視カメラがあるので、シャワー室で着替え、私は部屋に戻った。
え、なんでパジャマに着替えてるんだ!?って…それは、その…あれだよ。そう、RPGでいうところの宿屋の休息だよ。いやだな、もちろん、調査に行くよ!でも、まだ、時計は13時を回ったばかり、集合の19時にはまで6時間も余裕がある。ちょっと、小一時間ほど休憩しても大丈夫じゃないかな?うん!大丈夫だ!
「起きたら本気を出す…!」
その言葉を最後に私は、瞼を閉じ、束の間の眠りについた。
◆ ◆ ◆
午後7時―――
私は食堂に向かって真っ青になりながら、走っていた。
“起きたら本気を出す”そう誓いながら、束の間の休息から目を覚ました私が見たのは
針が6時50分を示した時計だった。私は慌てて飛び起き、制服を取ると、シャワー室に駆け込んだ。部屋では着替えが監視カメラで見られてしまう。着替えるなら、ここしかない。
私は、誓いを果たすように本気で全力で着替え、部屋を飛び出した。
食堂ではすでにみんなが集まり、誰かが見つけた脱出口に、今まさに出かけようとしているかもしれない。こんな所にモノクマを操るサイコ野郎と二人きりなど冗談ではない。
[9]前
[1]次
最初
最後
[5]目次
[3]栞
現在:2/7
[6]トップ
/
[8]マイページ
小説検索
/
ランキング
利用規約
/
FAQ
/
運営情報
取扱説明書
/
プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク