ハーメルン
私が希望ヶ峰学園から出られないのはモノクマが悪い!
第1章・自由時間4時限目

私は振り返ることなく、走り続けた。

この世には与えられる者とそうでない者がいる。
私は前者で、山田君…君は後者。ただそれだけのこと。
このコーラは、私を選んだのだよ!

適当に、漫画のボスキャラっぽい台詞を心中で唱えながら、私は自分の部屋に戻った。



◆  ◆  ◆



暇だから、この3日間の出来事でも、このメモ帳にまとめてみようと思う。
私達がモノクマに監禁されてから、およそ3日が経過した。
“およそ”という些か自信のない表現は、一日中、太陽の届かない建物の中で生活を強制されているために、時間経過の判断材料が時計しかないためである。
だから、時計が正確であるならば、およそ3日ほど経過したことになる…はずである。
私も、よく休みの日は一日中、家でゴロゴロしていたものだが、太陽の存在がどれほどに重要なものか、この最悪な環境に身を置いたことで、シミジミと実感する。
やはり、人間は自然の中で生きるべきである。
話題が逸れたようなので、話を戻そう。
うん、そうだ。とりあえず、私達の移動可能範囲である1Fの簡単な説明でもしよう。
1Fは学園エリアと寄宿舎エリアの2つに大きく分けられている。
学園エリアは、体育館方面にあるエリアであり、体育館、保健室、購買部、トイレ、教室、視聴覚室などが配置されている。あの鉄の扉で塞がれた玄関ホールもこちらのエリアだ。その他には、それは赤い扉の部屋があり、そこには入ることができない。何の部屋だろうか?最後に、階段に関しては、大神さんの報告通り、シャッターで閉められていた。

寄宿舎エリアの方は、私達の部屋の他に、食堂がある。
この食堂には、石丸君の提案により、毎朝8時に集まり、朝食をとることになった。
食材は食堂の奥にある厨房に野菜、果物、パン、米、肉など食事を作るのに必要な全てが揃っており、餓死する心配はない。
洗濯に関しては、ランドリーがあり、各自、自分で洗濯しているという状況だ。
ゴミに関しては、トラッシュルームがあり、ゴミが溜まれば、そこに持っていけばいい。
夜間はシャッターが下りているが、その前においておけば、山田君が、後日、燃やしてくれる。聞いた話では、自らゴミの担当を買って出て、トラッシュルームを管理しているようだ。山田君…何が目的だ?まさか、私のゴミを狙って!?
他にも大浴場と倉庫と表札が貼られた部屋があったが、使用はできないようだ。
また、寄宿舎エリアにも階段があったが、こちらもシャッターで閉められている。
まあ、1Fの状況に関してはこんなところかな。

次に、人間関係について述べてみたい。
現在のところ、私達、クラスメートは、仲は良くはないが、悪くはないといった感じだ。
石丸君の発案した朝の食事においても、現在のところ、とりあえず全員が参加している。
大神さんと朝日奈さんが、早めに出てきて、サラダを作ってくれている。
舞園さんと苗木、そして私は、それを皿に持って席に運ぶ。
あとは、ぞろぞろと集まってきたみんなと話し合い、ご飯にするかパンにするかおかずは何にするかを決め、調理して、だいたい8時15分くらいには食事できる。
すでにこの段階においても、各自の性格が現れている。

8時前にくるグループは、大神さん、朝日奈さん、舞園さん、苗木、石丸君、私。

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