代表決定戦の翌日、戦いの後熟睡してしまったカミツレは元気な姿で教室へと姿を現し何時ものように自習を行っていた。行っている最中に女子達から先日の戦いは凄かったや感動した、カッコ良かったなどの賞賛の言葉を受けると照れくさくなったのか赤くなった頬を隠すように顔を伏せて自習を続けた。それを見た女子達はそんな所もあるんだなとカミツレへの好感度を上昇させていると千冬と真耶がやって来てHRを開始した。そしてそこで代表者の発表を行う事となった。
「えっと先日の代表戦の結果を踏まえた結果、代表者はセシリア・オルコットさんになる訳なのですがご本人から辞退するというお話が来ました」
HRの場で発表が行われた言葉に驚愕する一同、何故辞退するのかと声が漏れるが千冬が軽く手を叩いた後口を開いた。
「オルコットは如何やら杉山との模擬戦中に編み出した新たな戦術の研究をしたいと申し出があった。何よりオルコットは模擬戦で唯一の勝利保持者である為に辞退の権利は充分に持ち合わせている」
「という訳なので次点という事でカミツレ君になるんですけど……如何します?」
「あ~……んじゃ俺も辞退します、今の俺じゃあ力不足ですので」
次に向けられたカミツレ、正直な所カミツレはたった一戦を行っただけで気を失うような熟睡をしてしまった事を重く受け止めているのか身体や精神を鍛える必要があると考え至りもっとトレーニングを積まなければと考えている。今日もそのトレーニングに当てる事を考えている、そしてカミツレが辞退した事で自動的に代表は……
「では最後に残った織斑 一夏君がこのクラスの代表に決定しました!」
「えええっっ!?」
クラスから拍手が沸き上がる中思わず大声を上げながら困惑する一夏が立ち上がった、何故自分が代表になるのだろうか。この流れならばと自分も辞退しようと思っていたのに拒否権など一切無しで就任させられるなんて思いもしなかった。
「ちょちょなんで!?俺だってやりたくはない!!?」
「敗北者にそのような権利など無いわ、杉山のような健闘の上での敗北ではなくお前は普通に負けたではないか。試合内容だけで考えれば杉山とオルコットのツートップだ、最下位は諦めろ」
「ぼ、暴君だ…」
ガックリと来てしまった一夏。周囲からは就任おめでとうと拍手が送られてくるが全く嬉しさなんて沸き上がってこない。寧ろやめて欲しいという一心が沸きあがってくる。しかし一部の女子は本当に一夏で大丈夫なのかと疑問視する生徒もいる。それならばあれだけの戦いをやってのけたカミツレに是非やって欲しいと思っているが、既に決定してしまっている。
「ち、畜生……こ、こうなったら自棄だ、全力でやってやる!!」
「その意気だ織斑、まあ取り合えずお前は専用機を使った機動訓練でもしておけ。先日のあれは酷かったぞ」
「……はい」
HRの最後は一夏への駄目出しで終わってしまいそのまま授業がスタートした。そんな授業が終わった昼休み、セシリアがカミツレの席までやって来た。
「カミツレさんご一緒にお昼でも如何でしょうか、今日ぐらいはお休みしてお身体を休めた方が良いですわよ?」
「ああいや、その気持ちは嬉しいんですけど眠りすぎたせいで早朝のトレーニングも出来て無いからその分を取り戻そうと思ってたんだけど」
「いけませんわカミツレさん、身体を虐めすぎても身体は育ちません。適度な休憩があってこそ成長するのですわ!先日は明らかに疲労のピークを超えていたからこそ眠ってしまったのです。だからこそ大事を取って身体を休めるのです!!」
[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/3
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク