#1-06 パーティ
《boxbgcolor:#d7dcd7》
一度や二度の失敗でめげる【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタインではない。
早速、数日後には気を取り直して鍛錬に励む。それと一緒に罰を受けた【ヘスティア・ファミリア】の団員の事を思いつつ。
小柄で少女然とした主神『ヘスティア』は初めて見たけれど、悪い神様ではない印象を受けた。
自分達の主神『ロキ』より好感が持てそうだ。だが、団員は赤毛の少女『ポラン・ブーニディッカ』ただ一人――
募集はかけているらしいが、何故団員が増えないのか疑問に思った。
お近づきになった相手のことを気にかけるのはアイズにとっては好奇心の一つに過ぎない。それでもダンジョン攻略以外で気になったのは『ジャガ丸くん』以来ではないかと。
†
昼食時に本拠『黄昏の館』内の廊下でロキに出会ったので尋ねてみた。
敵対【ファミリア】なのかも気になったので。
「あのドチビとは昔から因縁があるだけで敵対【ファミリア】には数えてへんよ」
独特の喋り方で手を振りつつ答える主神ロキ。
胸が無いので男性的と言われれば納得してしまうが女性の神様だ。
朱色の髪をポニーテールにし、糸目で常に微笑を湛える表情はどこか胡散臭さを感じさせる。
「ド貧乏な【ファミリア】のようやし、こっちが本腰を入れる価値は無いなぁ」
「……そう」
敵対でなければ触れ合いに関して自分の行動は今以上に厳しくする事もないか、とアイズは思った。
これが敵対【ファミリア】であれば今以上に積極的に警戒しつつ相手の情報を取れるだけ取る必要がある、とロキから言われていた。
脅威でないのであれば次のダンジョン攻略時に出会った時、殺し合いになるような不穏な事態は避けられそうだ。
それとは別にヘスティアはどういう神様なのか、一応尋ねた。
「ロリ巨乳や。それ以外に特筆すべき事は無いけど……。さすがに弱い者いじめは厳禁やで、アイズたん。ああいうのにうちらが構うと品位が落ちる」
ということをそっくりそのままロキに言い返したくなったが、飲み込んだ。
お世辞にもロキに品位を感じた事は無い。ただ神威を帯びている超越存在なだけだ。
†
街へと出かけたアイズはギルド本部にて、受付から説明を受ける赤毛の女の子と遭遇。――というか見掛けただけだ。
罰を受けたにもかかわらず足を運んできたところは精神的な部分が強いのかなと思いつつ、聞き耳を立てる。
連れ回した罪悪感も少し関係するけれど――
「今の【ステイタス】だとまだ五階層はキツイかもしれませんね」
[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/6
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク