メニュー6 シャルティアの鴨のローストとアウラのハンバーグステーキ、マーレのスパゲッティ・ミートソース
第9階層のレストランの前に集まる7体の異形の姿。普段の服装ではなく、品のいいスーツやフォーマルドレスに身を包んでいたが、1体だけ明らかに浮いている異形がいた。ライトブルーの骨格を持ち、背中には氷柱のような鋭いスパイクが生えており、そしてその強さを表しているかのような4本の腕を持った蟲王のコキュートスだ。正装をせよと言う命令を果たそうと努力はしたのだろう、首に申し訳無さそうに赤い蝶ネクタイが巻かれていた
「コキュートス。やっぱり裸なんだね」
そんなコキュートスを見てからかう様に笑う褐色の肌と尖った耳、そして右目が緑、左目が青と言うオッドアイを持つ少女、闇妖精の「アウラ・ベラ・フィオーラ」も普段の男装から今日は白を基調としたロングスカートタイプのドレスと首から蒼い宝石のペンダントを下げていた。正装と言う事で男装ではなく、ドレス姿を選んだのだ
「……ウルサイ」
「アウラ、あまりからかってやらないで欲しいですね。私だって相当努力したんですよ?」
いつものストライプの入った赤のスーツではなく、黒を基調としたスーツを着込み、袖元ルビーのカフスボタン、スーツの黒とは対照色の白のネクタイにはダイヤモンドのネクタイピン、そして普段着用している丸眼鏡ではなく、左目にモノクルを装着したその姿はどこの貴族のパーティに顔を出したとしても通用するほどの一流の装飾品で固められていた。銀のプレートに包まれた尾さえなければの話だが……コキュートスと友人関係にあるデミウルゴスはアウラがコキュートスをからかうのを止めに入る。彼でさえ相当苦労し、やっとの思いで装備させる事が出来たのが蝶ネクタイなのだ。コキュートスの今の格好はデミウルゴスとコキュートスの努力の結果なのだから
「しかしアルベド。アインズ様はどういうおつもりで晩餐会などを催すと決めたのでしょうか?何かは聞いてはいませんか?」
「カルネ村にユリと共に向かい、そこで何かあったという事しか……」
アルベドも普段の白のドレスではなく、鮮やかな紅いドレス姿をしており、胸元や、腰周りを見せる普段のドレスと異なり、肌の露出を抑えた清楚なドレス姿だった
「か、カルネ村でな、なにかあったんですか?」
「判らないわ、マーレ。ただ……そうね、アインズ様は大変上機嫌だったわ」
艶のある金髪のおかっぱ頭にし、エルフ特有の尖った耳はやや下向き。おどおどした雰囲気を持ち、アウラと同じデザインのドレス姿の彼……彼女ではなく、彼。マーレ・ベロ・フィオーレは女装男子であり、男の娘として設定されたNPCだ
「ア、アインズ様が……上機嫌……?カルネ村でな、何があったのかな……ユリさんには聞かなかったんですか?アルベドさん?」
「勅命と言う事でユリの姿は見ていないわ」
自らが仕えるべき御方が上機嫌と聞いて悪い気はしないのだが、その理由を知りたいと思うのは仕方ない事だろう
「ふむ……カルネ村か……特にアインズ様が御気に召すような物はないと思うが……」
「我ラガシラヌ何カガ、カルネ村ニアッタノヤモシレン」
上機嫌の理由を考える階層守護者達だが、カルネ村には何も特出するべきものは無かった筈だという考えにしか行き着かない
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