ハーメルン
なにも知らない転生者がカードキャプターさくらの世界で活躍させる物語(仮)
第一話 転生者は何も知らない
「いってきます」
オレの名前は
桐生祐介
(
きりゅうゆうすけ
)
。
私立友枝小学校祭通う四年生で、転生者というモノだ。
でも前世の事はあんまり覚えていない。
覚えてると言えば、白い部屋で神様みたいな人とお話したくらいだ。
神様からは『魔法』のある世界だと聞いたが、転生した世界はオレが居た現代日本より、ちょっと前の世代だった。
当然、そんな世界に『魔法』なんてないと思ってたけど、うちの母方の実家がとんでもない所だった。
なんでも陰陽師で有名な安倍晴明の遠い親戚で、『魔法』のような術――母さんは『陰陽術』とか言ってた――があった。
そんでもって『陰陽術』を使う資質ってのが、オレにはあった。
まぁ、これも転生する時、特典をつけてやると言われたから『魔法』を使えるようにしてほしいと言ったからだろう。
最初は『剣士』になって冒険者なりたいとか言ったけど、神様に「それはあんまり使えない」と言われたんだよな。
現代日本でも『魔法』は使わないと思うけどね。
と、交差点辺りから、聞き覚えのある声がするから振り向くと、青いバレーボールぐらいの物体が弁当箱を手に突撃してくるとこだった。
「おーい、主ぃー。 べんともがぁ~!!」
「近所だ、バカ!
仮
(
そ
)
の姿のまま大声で近付いてくんなよ! 誰かに見られたら大騒ぎだろ!!」
「だってよ~。 主の注文がいちいち細けぇんだもん」
オレの忘れ物を届けにきてくれた青いバレーボールの名前は善鬼と言って、安倍晴明が使役していた伝説の鬼の一人らしい。
普段は陽気でポヤッとしてマイペースだが、それは仮の姿というモノで本来の姿は偉丈夫な好青年カッコ角があるカッコ閉じ。
パッと見、普通なのだが、ふと彼の頭を見ればその存在を主張するかのような鬼の角。
そのお陰で外に出るときはオレのぬいぐるみとして仮の姿で過ごすように、オレが居ないときは目立ってしょうがない鬼の角を隠してと言ってるが実行された事はない。
「まったく、お前は……で、角なし状態の元の姿で帰るつもりは?」
「は? ねぇよ。 オレっちは主の鬼だぜ~」
「安倍晴明さんのだろ」
「それは昔だろぉ」
はぁ、とため息吐きながらも一緒に居てくれる善鬼には、悪い気してない。
なんだかんだと善鬼には、助かってる部分もあるのだ。
善鬼を鞄に入れ………………
「善鬼、そのままの姿で小さくなって」
「食う気か!?」
「食わねーよ! 違う、そのままのサイズだと鞄に入らないから、キーホルダーくらい小さくなれって意味だよ!」
「あ、なるほど! わかったぜ!」
ニカッとマスコットの笑顔で、オレの指示に応え、小さくなった善鬼を鞄に入れてなに食わぬ顔で隅っこから道へと歩き出して学校へと向かった。
暫く歩いてると学校に登校してる生徒がちらほらと見えてきて、見覚えのある男女が肩を並べて歩いてるのを発見した。
「おはよ、貴史、三原」
「おはよう、祐介くん」
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