ハーメルン
今日も元気にメゼポルタ広場からお届けします。【完結】
朝ごはんはココット村で(ベナトール一人語り編)
――ん?
ハナが【ドンドルマ】最速で、上位ハンターになった経緯(いきさつ)を聞きたいと?
そんなもの話して何になる。第一そこまで珍しい事でもあるまいに。
……ああ、普通なら【上位最終試験】まで最低でも五年はかかるもんが、二年かそこらで合格した奴は、あいつぐらいだろうな。
どうせあんたが全部やってやったんだろうって?
まぁ、それは否定せんが……。
――あん? どうしても聞きたいってぇのか?
仕方ねぇ。なら一度しか話さんから、よく記憶に留めて置くんだな。
どこから話すか……。そうさなぁ、【大長老】様から呼ばれた所からにするか。
「孫娘がハンターになりたいと言い出したから、【教官】として上位まで育ててくれまいか?」
そうおっしゃられたんだよ。
最初俺は、自己流で生きて来たから【教官】の器じゃねぇと思ってな、断ろうとした。
人に教える自信なんざ、なかったからな。
が、「多少痛い目に合わせても良いから」とおっしゃられる。
俺は「本当に痛い目に合うかもしれませんが、それでもよろしいんですかい?」と念を押した。
だが「それでも構わん」という事だったから、引き受けたのさ。
「【ドンドルマ】一の鬼教官という事にしている」と付け加えられたのには、苦笑いしちまったがね。
で、顔合わせの時間に【メゼポルタ広場】で待ってたら、ひらひらな服着たちっこい嬢ちゃんがやって来たんだよ。
――ん? あんたから見たら誰でも小さく見えるだろうって?
そりゃそうだな。
確か「嬢ちゃんあんたが孫娘かい?」と言うような事を聞いたっけか。そうすっと「嬢ちゃんなんて呼ばないでよ!」と噛み付きやがった。
初対面なのにだぜ!? こりゃ相当肝っ玉が据わってやがると思ったね。
んで「ハナって名前で呼んで」と。「オジサンはなんて名前なの?」と聞くもんだから、「ベナトールだよ」と名乗ったら、途端にケラケラ笑いやがんだ!
何事かと困惑したら、「だって、【ナイシトール】みたいな薬の名前みたいじゃない」と腹抱えて笑いやがる。薬はねぇと思わねぇか!?
一応「【ハンター】という意味がある」と名前の由来を説明したんだが、「ベナって呼ぶから」と言われちまってな。俺の立派な名前も形無しだよ……。
おい、お前まで笑うこたぁねぇだろ!?
普段着のまま【クエスト】に行こうとすっから、こいつ馬鹿か? と思ったんだが、なんとか【z(ゼニー)】と【素材】を与えて【リオハート】シリーズに着替えさせた。
始めに与えようとした【ザザミ】シリーズは、「ダサい」と突っぱねられたがな。
初めての【クエスト】なら【採集クエスト】当たりかと思ってたらば、「【沼地】ってとこに行きたい」と言い出しやがった。夜にだぜ?
一応反対したんだが、押し切られちまってよ。まあ毒沼に触れるのも経験の内かと受けたんだよ。
【沼地】に着いて毒沼について説明してたら、それ聞く前に手を突っ込みやがった。しかも「綺麗~~♪」とか言って。
【挿絵表示】
馬鹿だろ? 当然「気持ち悪い……」ってなるわな?
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