アフトクラトラスの一日
クラシック第一弾、皐月賞を終えて。
OP戦を終えた私は現在、朝を迎えているわけだが、相変わらず、ナリタブライアン先輩の抱き枕ならぬ、抱きヌイグルミにされている。
寝る際は薄着のナリタブライアン先輩。
パジャマを着る派の私としてはちゃんと服着てほしいと毎回思うのだが、風呂場でも前を隠そうともしない彼女に言ったところで無駄だろうなともう諦めていた。
抱きヌイグルミ扱いをされている私のメリットと言えば、頭に乗っかってるナリタブライアン先輩の柔らかい胸を揉み放題というところくらいだろうか。
それなら、自分の揉んでた方が早いという話、自分の胸揉んでも何にも得はないので、それなら何にもしないのが1番である。
「んー…」
「…動けぬ」
身動きができない私に、綺麗な足を絡めてくるナリタブライアン先輩。
もう色々と悟った私はヌイグルミに徹している。
まあ、私が散々言ったので優しくナリタブライアン先輩は抱擁して寝てくれているので特に問題はない。
こうして、私の1日は始まる。
さて、こんな風にいつものように朝を迎えた私は髪の手入れをし、午前中は同級生達のいるクラスに授業を受けに向かう。
レース一週間前や、チームの事情次第ではこの授業というものも公欠ができ、トレーニングや特訓が行う事はできるのだが、OP戦を終えた今、私には特に公欠する理由も見当たらないのでこうして授業に出るのだ。
トレセン学園って事をたまに忘れちゃいますよね、周りの環境を見てみれば、私にとってみればここは軍隊養成所みたいなものだし。
私は授業を受けながらペンを指で遊ばせつつ、ノートに授業の内容を書く。
「えー、鎖国が終わり、日本で初めてウマ娘のレースが行われたのが1860年ごろになります、この当時、日本では…」
そう言いながら、私達に授業をしてくれるトレセン学園の先生。
いや、その知識は果たしてレースに必要なんだろうかと思いつつも、個人的には勉強になるのでノートを取りながら話を真剣に聞く。
そして、一通り授業が終わり、休み時間。
私の周りにはネオユニヴァースことネオちゃんとゼンノロブロイこと、ゼンちゃんが集まって来ていた。
話す内容は、やはり最近のレースの事だろうか、OP戦も無事に終わった私は次は重賞戦に挑む事になるのだが、他の二人は果たしてどうなのかは純粋に気になるところである。
まず、私の話を聞いて、驚いた声を上げたのは鹿毛の綺麗な長い髪を黄色と黒のシュシュで束ねているネオちゃんだった。
「えーっ! アフちゃんOP戦余裕だったのぉ!」
「いえーい、ピースピース」
「いいなぁ…私やネオちゃんはまだ早いって言われてて、もうちょっとかかりそうなんだよね…」
そう言いながら、二人は私がOP戦をトントン拍子で勝っていた事に驚いている様子だった。
何故だか、皆から化け物を見るような目を向けられたんだよねぇ、失敬な。私はこんなにコミュ力高いのに! もっとちやほやされて然るべきなんだよ!
まあ、私が仁○なき戦いみたいにドス効いた脅しかけたもんだからああなったとは思うんだけれど。
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