第17話「界放リーグ開幕!ブイモン軍団出撃!」
「おい!獅子!約束は覚えているだろうな?」
「あぁ、勿論だ竜ノ字、お前こそ覚えているだろうな!もう王手はかかったんだからな!今年でヘラクレスを倒せなかったらちゃんと旅行させろよ?」
今日は【界放リーグ】本戦の当日。この日はこの街一番の大きなスタジアム、界放市中央スタジアムにて、開催される。大きなスタジアムで、午前中だと言うのに、そこは大勢の人々で賑わっていた。
学生の大会と言って侮ってはいけない。その中ではトップクラスの強者揃い。ほぼプロ入りが確定しているもの達ばかりだ。
各学園の理事長らは、特別なVIPルームでそれを観戦できるようになっている。今、ジークフリード校理事長の龍皇竜ノ字と話しているのはキングタウロス校理事長の【大公 獅子(たいこう しし)】。彼らはどちらの務める学園の生徒が、先に3年連続で優勝できるかを競い合っていた。
そして今年こそがその王手、今のところ二連覇しているヘラクレスが今年優勝して仕舞えば、龍皇は大公にハワイにある有名なとある場所に旅行させねばならなかった。
「まったく、お前たちはまだそんな子供じみたことをしているのか」
「同感だ」
「いやいや、ただ眺めるだけじゃ暇なんだよ、……そういえばお前らのとこのガキも出るそうじゃないか、城門、漣」
呆れたような口を聞いたのは紫治一族の現頭領、紫治城門。夜宵の父でもある。
そしてもう一方は現在の九白一族の頭領、【九白 漣(くしろ さざなみ)】。理事長達はみんながみんな同い年だ。若き時はプロリーグで対戦するのは日常茶飯事、こうやって歳になっても争いたくなるほどだ。城門も漣も少なくとも彼らと同じく競い合いたい気持ちは存在している。
彼らは他の学園の理事長達と共にこの祭りを高い場所で見守っていた。
******
場所は変わり、グラウンドでは入場式が行われていた。轟音のような歓声の中から1人ずつグラウンドに入場して行く。
ー先ずはタイタス校からだ。女性のアナウンスで1人ずつ紹介されて行く。その様子はまるで甲子園さながら、
《タイタス校3年、【光乃 国貞(ひかりの くにさだ)】君》
なんともマッシブで筋肉質な男子生徒が姿を見せる。この男は3年になり、今年やっと出場することができた努力家なバトラーだ。
《同じくタイタス校1年、岸田 空牙君》
こちらもマッシブで長身な男子生徒、空牙。彼は一度椎名ともバトルしている。今回はそのリベンジも含め、出場を選んで、見事予選を勝ち残った。彼もかなりの努力家だ。
この2名がタイタス校代表、次はミカファール校の代表達だ。
《ミカファール校3年、【蝶花 菊乃(ちょうか きくの)】さん》
歩いてくるのはまさしく八方美人の女性。スタジアムから大勢のファンの声が聞こえてくる。彼女も今年初めて【界放リーグ】に出場した。実力の問題で、基本的には3年生が出ることになることが多い。
《同じく、ミカファール校3年、【獣道 岳(けものみち がく)】君》
それが現れた途端に会場の声が不協和音に変わる。彼の獣道岳の大きな図体、大きな手足に、彼が蝶花菊乃と並ぶとまさしく美女と野獣だった。彼も今年が初、
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