第十八幕 生徒会選挙・急
幼馴染として、時にはお姉さんを気どって、リクオの手をとって、歩いてきたつもりだった。
四分の一妖怪の血が流れていることは知っていたが、それでも『彼』を只の人間だと、無力な一般人だと思い込んでいた。
だが、違った。
本当に無力なのはリクオではなく、自分だった。
手をとっていたのは『彼』のほうだったのだ。
『彼』がいつも、自分のことを護ってくれていたのだ。
それなのに、自分は――
「うっ、うぅぅあああああああああああああぁぁぁぁぁぁっ――!!」
カナは泣いた。
時間も立場も、何もかも忘れて、その場で泣き崩れていた。
彼女の心とは対照的に、空は憎たらしいほどに澄み渡っていた。
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