ハーメルン
家長カナをバトルヒロインにしたい
第三幕 清十字怪奇探偵団

「おい! てめぇらいいかげん……」

 だが、放ちかけた怒声を途中で止める。
 部屋の中にいた二人の少年が、一人の少女を介抱していた。遠目から見ても、少女の姿はとても良好といえる状態ではなかった。

「……どうした?」

 先ほどまで感じていた怒りを引っ込め、鴆は彼らに問う。
 ついさっき、自分に眼を飛ばしてきた男が声をかけてきたことに顔を青ざめる清継だったが、すぐ気を持ち直し鴆の問いに答える。

「わ、わかりません 急に具合が悪くなったようで……」

 鴆は彼女に近づき、その様子を観察する。
 少女はしゃくり上げるように、忙しなく息を荒げ、嫌な汗を体中から噴きだしていた。
 その顔はすでに土気色に染まり、苦痛――いや恐怖に歪んでいる。
 その症状に洒落にならないものを感じた鴆は、語気を強めて彼らに言う。

「おい、お前ら! こいつに外の空気を吸わしてやれ」
「わ、わかりました」
 
 その言葉に従い、二人の少年が震える少女を支えながら外へと歩き出していった。

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