搾取・スペイン
今回……次以降、このようなテーマの本論を読むよりも、
『国家はなぜ衰退するのか』アセモグル&ロビンソン
『自由の命運』アセモグル&ロビンソン
『なぜ大国は衰退するのか』ハバード&ケイン
『政治の起源』フクヤマ
などを読む方がよいでしょう。
文明の発展を阻害する要因として、搾取はどうなのでしょう。
人はなぜ、これほどに残虐・邪悪なのか。
善悪、正義感情を一時別の棚に置いて……本当にそれは儲かるのか、儲からなくてもしたいからするのか。
文明が向上するため、富国強兵や世界征服のため、プラスなのかマイナスなのか。
現実のスペイン帝国もイギリス帝国も、いくつも大陸を得ながらフランスすら征服できませんでした。古代ローマ帝国や江戸日本は産業革命に達しませんでした。
宇宙戦艦SFでも、悪の帝国は多数あります。むしろそれがストーリーのわかりやすい起点ともなります。多くの剣と魔法なろう小説で、帝国がわかりやすい敵であるように。
その特徴は?
奴隷制。
人権がなく、罪がなくとも、いや幼児であっても拷問処刑される。
監視国家・秘密警察。
焚書・言論弾圧・思想統制。
差別。男女・民族・身分・人種、種族・機械生物・その他異質知性……。法の下の平等がない身分制度。
他国を激しく侵略する。
侵略で勝てば大虐殺を行う。
国内の工場などでの、極端な搾取が許可されている。
極端すぎる貧富の格差。
だから当然反乱・反抗(民主化運動)もあり、残虐に弾圧している。
現実の人類の、多くの国がやったことです。
ディストピアもその形の一つでしょう。それこそディストピア自体が、SFのジャンルの一つと言えるほど……ここでリストを出すまでもないでしょう。
多くのディストピアは宇宙戦艦を持たず、他の星や銀河を侵略してもいませんが。
『スターウォーズ』のパルパティーン帝国、『銀河英雄伝説』のゴールデンバウム帝国はまさに悪の帝国の代名詞。
またシリウス戦役の地球統一政府も実際には悪の帝国と化していました。
『宇宙戦艦ヤマト』のガミラス、ガトランティス帝国、暗黒星団帝国、ディンギルなどが地球を襲い、人類を皆殺しあるいは奴隷、脳移植の素材にすらしようとしました。
他にも『スタートレック』のクリンゴン・ロミュラン帝国など、『叛逆航路シリーズ』のラドチ帝国などなど実に多くあります。
『真紅の戦場』の各国もかなり深刻なディストピアです。
比較的普通の国でありながら、敵であるというだけで悪の帝国とみなされるケースもあります。
ここで疑問です。それらの帝国は、本当にそれで儲かっていたのでしょうか?
経済、損得抜きに征服をする帝国も多くあります。
人類を大虐殺する異星人も多くありますが、目的が異なることもあります。
『バーサーカー』など文明を持つ種族の存在を容認せず皆殺しにしようとする。実質単独の集合精神種族で、人類を理解できないケース、また人類という別の生き物が存在していることを認識できないケースも含みます。
『タイム・オデッセイ 三部作(時の眼・太陽の盾・火星の挽歌)(クラーク&バクスター)』の敵は何らかの超次元資源を節約するため地球人が文明を持って生きることを容認できないようです。
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