第4話 分水嶺
サイド1に続きサイド4の駐留艦隊壊滅、グラナダを陥落と順調に進んでいく。
ここまでは史実の1週間戦争に当たる。だが、史実ではここで総人口の半分を失ったとあるが、今回はそんなこともなく民間人の被害はほぼ無い。
毒ガスも核攻撃もコロニー落としもしてないからね。
やっているのは、ニュータイプアイドルを使った精神攻撃のみ。
うんうん、クリーンな戦争だな。
ここで、サイド2への進撃と史実だと行くのだが辞める、放置。
ジオンガールズやモビルスーツの慣らしは終わりだ。一旦本国に戻して補給を万全にした後、いよいよ本番のサイド5 ルウムへ行く。そう一年戦争序盤の天王山だ。
サイド5の位置は重要で、サイド3と月を挟んで反対側、ここを落とせば月を中心とした絶対防衛圏を作ることが出来る。
っと言うわけだ、この決戦俺ことギレン自ら出陣する。
「聞け、我が愛するジオンの兵士諸君。
これより、スペースノイドこそ次の時代の担い手であることを示す為、正面から連邦艦隊と決戦を行う。
これぞジオンのスペースノイドの、いや人類の分水嶺である。
これより、ルウムに進撃する。
宇宙要塞 ソロモン発進」
俺の号令の元、宇宙要塞ソロモンは各パルスエンジンに火が付き、ルウムに向けて進撃を開始した。
艦艇のように簡単に進路変更はできないが、決められた座標への移動なら問題ない。史実でもそうやってソロモンは前線まで移動させたんだし、問題は座標を決めて発進した以上もう後戻りは出来ない。
覚悟を決めろ。
「連邦艦隊目視にて確認」
ソロモンの移動は連邦も察知し今までと違うジオンのこの決戦に賭ける意気込みを感じたはず。当然連邦もこのまま負け続ければスペースノイドに示しが付かなくなる。宇宙艦隊の総力を結集してきた。
「よし、艦隊は全てソロモンの後ろに退避させろ」
今ジオン艦隊はルウムにて必勝の陣形で待ち受ける連邦艦隊ともうすぐ戦闘距離になろうとしている。連邦艦隊の放つ光がまるで天埜川のような煌めきを放っている。観ている分には綺麗なんだが、今からあそこに突入する身には胃が痛い。
「しっしかし、それではソロモンが矢面に。何よりギレン閣下が」
付いてくるなと言ったのに強引に付いてきたセシリアが心配げに進言してくる。意外と情の厚い人なんだな。てっきりギレンの金と権力に媚びているだけの腐れ女かと思っていたんだが。
それにポニーテールにしてと冗談気味に言ったら本当にしてきてくれたし。もし生き残れたら可愛がってあげよ。
「くどい。作戦に変更は無い」
敵連邦艦隊はジオン艦隊の約6倍。確か史実では3倍だったのが、核攻撃もコロニー落としもしないクリーンな戦争をした代償がこれだが、逆にここを破れば歴史が大きく変わる可能性が高い。
ジオン艦隊は必殺の距離に成るまで温存する為ソロモンを盾と化す。連邦の攻撃は全てソロモンが受け止める。我が身を犠牲にするのは格好いいが、自分がその中心にいると成ると少々身震いがするな。だが、ドズルを差し置いてこの決戦の総大将になったんだ、これくらいしてみせねば人は付いてこない。
「連邦艦隊から一斉射。衝撃来ます」
「総員、ショックに備えろ」
その数秒後、ソロモンは震度5の地震の如く揺れた。だが揺れは収まった。ソロモンは砕けはしなかった。
ふっふっっふ、間合いが甘い。もう少し引きつけられたら危なかったかもな。
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