ハーメルン
ポケットモンスター待雪草
p.12 消えた光(前編)

*リーフィアside

青い薔薇の花びらが舞い散る。

ロズレイドとミカルゲのバトルを分析するにミカルゲは守りに徹する遠距離タイプであった。一旦緩急のつけられた弾幕が展開されると近付くのは難しく、仮に近付かれたとしてもしっかりとカウンター攻撃を準備していて隙がない。

ただ、同時に疑問点もある。

視界が弾幕で埋まっているのにも関わらず、なぜ"花吹雪"を避けられた?

どうしてあんな大技をすぐに使えた?

ーーまるで最初から近付いてくるのが分かっていたような…まさか感知能力まであるのだろうか。だとしてもだ、機動力のないミカルゲが花吹雪を避けられた説明にはならない。まだ何か隠しているな。

ーー嫌な予感がする。

「次はお前だ」

ロズレイドを呑み込んだミカルゲがこちらを向く。ここは軽口で鎌をかけてみるか。

「そろそろ毒が回ってる頃だと思うけど連戦して大丈夫か?」

「あぁ、これのことか?こんなのが我に効くはずないだろう」

ミカルゲから紫色の液体がボトリと音を立てて落ちる。

お、おう…平然とやってるけどとんでもないな。固体とも液体とも気体ともつかない特殊な形態だからこそできる芸当か。

「敵の心配よりもまずは自分の心配をしたらどうだ」

"シャドーボール"

普段なら避ける攻撃だが

"リフレクター"

「お荷物を抱えてのバトルはさぞかし大変だろう?」

今は子供達を庇いながら戦わないといけない。

はぁ、これは骨が折れそうだ。



*リーフィアside

とはいえ私も黙って見ていた訳じゃない。草結びに使ったエネルギーは"光合成"で回復していたし、ミカルゲの戦闘(バトル)スタイルも観察していた。それらも手伝って不利な状況でも何とか互角に渡り合えていた。

それこそ物量に任せた広範囲弾幕は近付くのには厄介だが、それぞれの弾はミカルゲを中心に直線的に広がるだけなので双方を結んだ直線上だけ対処すればそれほど脅威ではない。

向こうもそれを察知したようでこちらだけを狙う"悪の波動"に切り替えてくる。これも問題ない。1つ1つ丁寧に"はっぱカッター"の斬撃で対処していく。

ここまで戦って気付いたことがあるが、恐らくミカルゲはポケモンを操ることはできても()()()操ることはできない。ゴンベやマネネは操られても攻撃を仕掛けてくることは無かったし、ミカルゲを直接狙う攻撃はせず受け身に徹している今、ロズレイドを操ろうとする素振りも見えない。

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