p.18 幻の花
*リーフィアside
怪しげな2匹と別れた翌日、私達はネオンギルドのロビーに集合していた。
「調査は進んでいるかしら?」
ネオラントからそんな問いかけが来るも答えは当然
「いえ、全く。そっちはどうですか?」
ネオンギルドはいろんな探検隊や調査隊が出入りする。であれば当然情報も集まるし、集まった情報はケイコウオが分かりやすく新聞にまとめてくれている。ウォンシ地方で一番情報が集まる場所と言っても過言ではない。
「貴方達の予想通り、スノードロップを見たというポケモンはいなかったわ。どうやらスノードロップに関連する何かも世界から忘れられているみたい。怪現象に関わっていると見て、まず間違いないでしょうね」
「でもネオンギルドが生息地を特定できてないとなると私たちは正直お手上げね」
逆に言えばネオンギルドは情報において最後の砦という訳だ。グレイシアの言う通りギルド長が知らない情報はそれだけ珍しく、並大抵の調査では手に入らないということを意味している。
「案外そうでもないよ」
突然割って入った声だが、昨日とは違って見知ったポケモンであった。声の主は振り返るまでもなく上品なバラの香りが物語っている。
「ウォンシ地方では突然後ろから話しかけてびっくりさせるのが流行ってるのか?」
「へぇ…リーフィアでもびっくりすることがあるのね。全然そういう風には見えないけど」
「グレイシアみたいに怖がりでもなければオーバーリアクションでもないからね」
次の瞬間右ストレートが炸裂したのは言うまでもない。
○
*ロズレイドside
グレイシアの右ストレートを見たのはこれで2回目だが、改めてすごい威力だなと思う。当のグレイシアは「わざわざ私のイメージを崩しにいかなくてもいいじゃない!私のクールビューティーは何処へ…」と涙目でプルプルしている。残念ながらリーフィアは痛みでもがき苦しんでいるのでそれを聞く余裕はなさそうだが。
でも言われてみれば確かに以前のグレイシアは『クールビューティー』がよく似合うポケモンであった。
今はどうか。
もちろん何もなければ『クールビューティー』なのだが、以前よりも表情や感情が豊かになった気がする。以前のグレイシアであれば涙目でプルプルしたり、ましてや恥ずかしさのあまり右ストレートを放ったりするなど到底考えられない。リーフィアが閉ざしていた心の殻を開いたとでもいうのだろうか。
「笑ってないで治療してくださいよ…」
誰も助けようとしないから忘れていたが、復活したリーフィアが医者に皮肉めいたことを言う。
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