5話
何ー!ローストビーフは俺の大好物の一つじゃないか!ワクワクしながら食事場に向かう、何気にこれが初めての食事場での食事だがこれからは慣れていかなければいけない。
ここで俺がローストビーフなどにうつつを抜かさなければ確実に何かやりようはあったというのに、ここから俺は、自分の身を脅かす悪意に晒されていくのであった、他ならぬ自らの家族の手によって。
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「藍、今回も駄目だったわ」
「いい加減諦めましょうよ…」
藍は己の主の諦めの悪さにため息をついた。
「駄目よ、絶対に駄目」
「なんでそんなにあの吸血鬼の子供に拘るんです?」
「まあ容姿が可愛かったり魂が清らかだったりとか色々理由はあるんだけど…」
「だけど、なんですか?」
紫は凄く言いにくそうに口を噤んでからその言葉を言い放った。
「このままじゃ確実にアルクはあの舘の者によって殺されるわ、しかも唯一の肉親にね」
藍はその言葉に目を見開いた。驚きを隠せないといった表情で。
「!?」
「最初あった時は巧妙に隠してて気づかなかったんだけど、この前会った時に確信したわ、狂気に囚われた奴がいることにね」
「それは…どっちですか…?」
「どっちもよ」
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