幕間「アルクの誕生日パーティー」
「その形の不揃いなのは、あの、私とフランの作ったやつで。あとは咲夜のやつだから、咲夜のやつ食べなさい」
なにかレミリア姉様が言っていたが俺は聞いてなかった。真っ先に不揃いなやつを手につけて食べる。
美味い
甘いものというのは口に入れるだけで幸せになれるとはまさにこの事。小豆と餅の相性の良さを噛み締めながら一つ二つと口に放り込む。
「あ、アルク。それ私達の作ったやつで…」
「美味かったです!全部!」
「え!?もう食べたの!?」
一気に食べてしまった。喉を詰めるか不安だったがそんなことを気にしないほどうまかった。やはり菓子は和の方がいい。
「…こんなに嬉しいものなのね、自分の作ったものを美味しいといって貰えるのは」
「私も作ったんだよ!」
あの不揃いなやつは姉様達が作ったのか。全然話聞いてなかったから今気づいたわ。
「ありがとうレミリア姉様、フラン姉様」
「ええ、こちらこそ」
「うん!また作るね!」
じゃあ次はきな粉餅で。
そこからは誕生日パーティ恒例のプレゼント渡しだった。姉様達含めた紅魔館からは大量の本と魔道具をいくつか。そして八雲家からは何やら武器を贈られた。
「まあ護身用だ、一応身長と重心に合わせて作ってあるから持ってみろ」
それは一本の刀だった。小太刀ほどの長さの小ぶりのもので俺にピッタリとフィットする長さと重さだ。いい刀だなコレ。まあ使う時がくるかはわからんけど。
まあここまでは良かった、実用的だし特になにか重いわけじゃないし。本とかは特に俺にとって嬉しいものだ。
しかし問題はさとりさんのプレゼントだった。
「こちら旧地獄で採ったダイヤを鬼の研磨師に削らせたもので作ったペアリングです」
いろんな意味で重いわバカ。
「これで一層私とアルクさんの友情は深まるわけです」
「あれ流石に重いわよね?」
「シッ…紫様、ここは黙っておきましょう」
しかもなんで左手薬指につけてんだ!このバカは!
「あ、私がつけてあげますよ。ふふ、アルクさんに絶対似合います」
「あ、ありがとうございます…」
そんなハプニングもありながらも最終的には平和に終わった。そして最後まで誕生日の主役の気持ちを味わってみた感想だが
まあ、悪くないんじゃないかな。
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