失敗
アサシン殺害という名の茶番からはや数日。
俺はコンテナの中で隠れながら外の状況を見ていた。
うわー
やってるわー
怖いわー
関わりたくないわー
けど、やらないとなー
数日…いや、数十年まったのだから…
というか俺は年取ってない気がする。
俺死んでんのかな?
ネクロノミコンが俺の身体を死体にして生かしてるとか……止めよう。
きっと、魔力炉ともいえる膨大な魔力により、肉体が若いままなんだな、きっと。
うん、大丈夫大丈夫。
いけるいける。
ほら、行けた気がしてきた。
ランサーとセイバーの戦いだ。
強いんだろうなー
攻撃が速すぎて見えない。
戦闘したらマッハで死ぬやつや。
そしてライダーの登場。
「双方!剣を収めよ、王の前であるぞ!」
かっこいいな、ライダー。
ああいうのに憧れるな。
俺にはああいうサーヴァントがいないんだけどな。
そして両手を広げて名を名乗った。
「我が名は征服王イスカンダル!此度はライダーのクラスにて限界した!」
本来名が、真名がバレるということはそれに対しての弱点が分かるということ。
ジャンケンでも相手が出すのが分かれば簡単に勝てるだろう。
……なんか違う気がするが、まあいいか。
あ、隠れてるもん出てこいやーって言ってる。
(意訳)
金ピカ王が出たし、俺も出るかな。
「ほう、2人もいたか」
英霊の気配はひとつだった。
隠れ潜む人の気配はあったがどうせ、隠れ潜む臆病者だけだろう。
魔術師なんぞ、いつの時代もそうなのだろう。
1人は金ピカの鎧と覇気を纏った男。
それは王の覇気。
名のある英霊と見た。
もう1人は白と金の服を身にまとった長髪の男。
英霊としての力を殆ど感じない。
しかし、内側から滲み出る不快さがある。
「貴様もしや、キャスターか?」
「「「ッ!?」」」
「キャスター!?なんでキャスターがこんな表に出てくるわけ無いだろ!」
その通り。
キャスターがここまで前線に出る意味が無い。
「いえ、私はキャスターではございません」
寧ろ、その台詞に安心した。
戦闘するキャスターなど意味が分からないからだ。
しかし、事実は小説よりも奇なり。
もっと意味が分からないことだった。
「私はキャスターのマスターのダーニック・プレストーンというものです」
サーヴァントどころの話ではない。
サーヴァントを連れずにマスターが出てきたというのだ。
頭おかしいとしか言えない。
ライダーのマスターはライダーに連れられ強制的に来ている為に例外だ。
さらに言えばライダーの近くなら他のどんな場所よりも安全といえるだろう。
しかし、この男は違う。
自ら死地へとなんの護衛も持たずやってきたのだ。
そんな事をするのは余程の阿呆か、絶対に死なないという自信が存在するからだ。
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