ハーメルン
それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!
私が銃爪を引く理由
私が戦う訳、それは少し前だったら即答も出来ないし胸を張ってそうだとも答えられなかった問いかけ
作戦エリアに向かうヘリの中で私はふとその問いかけが解けたときの事を思い出してた。なんで今なのかは分からないけど、他に何かやることもなかったから素直に思い出に浸る事にする
私【9A-91】が指揮官と出会ったのは彼女が着任してから数日後、本部からの要請で司令部に配属されることになった時だ
製造されたばかりとは言え私の胸の中にあったのは『指揮官に見てもらうこと』それだけ、捨てられるのは嫌だと脅迫概念じみた物を抱えていた私だったが指揮官と会って早々にその心配が無意味だったと知らされる
「あ、貴女が新しい
戦術人形
(
ひと
)
ね、いらっしゃい我が司令部へ!なんちゃって」
ヘリから降りて驚いたのは既に指揮官が出迎えに来ていたこと、彼女の後ろで副官のナガンM1895が疲れたようにため息をついてる様子から随分前から居たことがわかった。だけどそれ以上に戸惑ったのは激戦区のこの地区に居るのにそれを何一つ気にしてない感じの笑顔、こう『へにょっ』て感じの
「どうしたの?」
それが当時の私には不思議で不思議で仕方なくてその顔を眺めていたら困った表情に変わってそう聞いてきた、だけどその顔もなんだか不思議で、とにかく第一印象は指揮官らしくない不思議な少女になっていた
「あ、ほ、本日付けでこの司令部に配属されました。9A-91と言います」
「うん、よろしくね。でこっちが……」
「副官を務めている、M1895じゃ、言いにくいだろうしナガンと呼んでくれ」
「さてとじゃあ早速だけど今日のミーティングまだだからそこで部隊長にも紹介するね、付いてきて9Aちゃん」
指揮官の後に続き入った司令部の中で私はある種の感動を覚えた。激戦区で忙しくはあるが誰もが余裕を持っている感じで殆どの戦術人形は指揮官の姿を見ると手を振ったり挨拶をしたり中には直接絡んでくる子も居たりと各々が楽しそうな雰囲気を持っていて幸せそうだった。だけど同時に急に不安になってしまった、受け入れられるのだろうかと
そんな不安な雰囲気を感じてしまったのだろうか、指揮官がこちらを振り向くとまたあの『へにょっ』とした笑顔になり優しい声で
「大丈夫、みんな優しいから、それに私も仲良くするからね」
私の小さく震える手を両手で優しく包んで告げられたその言葉に不安はいつの間にか無くなっていた、不思議だったけど安心できる、受け入れられると思えたんだと思う
指揮官と共に入った作戦室には二人の戦術人形が既に待機しており、簡単な紹介をされた。右目に傷があるムードメーカーな感じで第二部隊の隊長UMP9、左目の下に涙のタトゥーがある第三部隊の隊長【HK416】今でこそ五部隊あるが当時はM1895が隊長を務める第一部隊とその二部隊しか無かった。私も自己紹介を終えて始めるミーティング、そこでフッと雰囲気が変わる指揮官に少し驚く
トントンと進んでいくミーティング、内容は今日の出撃と副官不在になるので戦闘時の補佐に私が任されたという事、あとは特に無かった。いきなり補佐を任され不安が出てくるがナガン曰く「寧ろ、慣れるために補佐をさせるだけなので身構える必要はない」慣れる?その言葉の意味を知るのは直ぐだった
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