ハーメルン
それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!
和菓子に合うのはやっぱりお茶です
舞台はいつもの執務室、今日も今日とて戦後処理や装備開発等などの書類に追われる指揮官と珍しく書類を見ながら難しい顔をするM1895、時計はそろそろ15時を指そうとしていた
「ぬわー、足りないものだらけだよ~」
「徹甲弾は揃った、がやはりコア不足の問題はキツいのう」
「それに練度上げるのは模擬戦とかカリンちゃんが毎日頑張って纏めてくれる作戦報告書でどうにかなっても上がった分を補う増幅薬も足りなくなってる……」
「無い無い尽くしか、嘆いても仕方がないがな」
最近になってバタバタと戦力強化を行ってみた所、当初は今ある在庫でどうにかなるだろうと踏んでいた指揮官だったが次第に足りないものが続々と出てくる状況に陥り日夜それをどうにかする日々を送っている
そして指揮官が伊達メガネを外したかと思ったら遂に机に突っ伏した、頭から湯気が見えそうなところを見ると思考を回しすぎてオーバーヒートを起こしたらしい
「しっかりせい指揮官」
「そうは言っても……あ、そろそろ15時だ」
「……分かった分かった、一旦休憩にしよう、煮詰まった状態からでは案も出ないだろうしな」
やったー!と両手を上げて喜ぶ指揮官にそういう元気はあるのじゃなと呟くM1895、そこで執務室の扉がノックされ聞こえてきた声は
「指揮官、少々宜しいでしょうか?」
「おろ?一〇〇式ちゃんだ、いいよ、入って入って」
「では、失礼します」
入ってきたのは赤いマフラーを首に巻き黒の長髪、日本人形を思わせるような顔立ちの少女は第一部隊所属の【一〇〇式機関短銃】その手にはお盆と大福がそこそこな量乗っていた
「ほう、大福とは珍しい、これはどうしたのじゃ?」
「えっと、食べたくなって材料を揃えて作ってみたのですがちょっと張り切り過ぎちゃいまして、それで丁度15時でしたのでよろしければと思いまして」
「え、これ一〇〇式ちゃんが作ったの!?食べる食べる!」
「と言うことじゃ、一〇〇式、お主もどうじゃ、流石にこの量をあやつもわしも食べ切れぬしな」
「あ、はい、ではご一緒します」
既にソファに座っていた指揮官がポンポンと自身の隣を叩く、一〇〇式もそれに従って腰を下ろしM1895は大福ならお茶かと棚から茶葉と急須を取り出して準備を始める
数分後、お茶を入れ終えそれぞれに配られ早速と指揮官が大福を手に持ち一口
「美味しい~、凄いね一〇〇式、和菓子を作れるなんて知らなかったよ」
「うむ、美味じゃな。しかし材料を揃えるだけでも大変だったじゃろう」
「いえ、材料自体はカリーナさんも手伝ってくれましたから、ただ作るのが苦労しました……」
その時を思い出してるのか目を瞑りながらそう呟く一〇〇式、彼女自身の言う通り材料は揃っても作るとなるとレシピの資料を読んでも細かいところがよく分からなかったりかと言って聞こうにも大福を作ったことがある者が居なくそれもできない中。試行錯誤を重ねに重ねてできたのが今回の大福だ
第三次世界大戦後の世界において文明は滅亡寸前であり当然料理に関する資料はかなり失われ和菓子となると職人が感覚でっていうのも多いので特に再現が難しい、それをここまでできた一〇〇式の腕前は中々のものである
[9]前書き
[1]次
最初
最後
[5]目次
[3]栞
現在:1/2
[6]トップ
/
[8]マイページ
小説検索
/
ランキング
利用規約
/
FAQ
/
運営情報
取扱説明書
/
プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク