ハーメルン
それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!
司令部は結構広い
突然だが司令部はデータルームや救護室、執務室に開発室に宿舎などほぼ全てを収めるためなのか大きい、更に戦術人形達も予算等に問題ない、もしくはどこから稼いだのかポケットマネーで増設することも多々あるので気付けば知らない部屋があったなんてことも在る
無論、指揮官と副官は書類で目を通して許可を出したりしてるので全く知らないということはないが中には指揮官には秘密裏に増築されている部屋も在る、そう今、指揮官が見ている扉もその一つだ
週一度の休日の日、最近司令部を見回って無いなと思った指揮官が宛もなくフラフラしてた所、それを見つけた。場所的には宿舎に近いが目立つような場所でもなく気づかなければそのまま素通りしてしまいそうな立地だ
「……こんなところに扉ってあったっけなぁ?」
腕を組み記憶を探るもそれらしいことを聞いた覚えも書類を読んだ記憶も出てこない、いきなり開けるのもどうかと思うしかと言ってノックする勇気もなかった彼女はそっと近付き耳を当ててみれば聞こえてきたのはゆったりとしたジャズ調の音楽
それと誰かの鼻歌も聞こえる、が扉一枚挟んで居るためか誰のなのかまでは判別がつかない。しかし誰かが居ることはわかった、侵入者というのはあり得ないので司令部の誰かなのは確か、なら怖がる必要ないのでは?と考えた指揮官、ドアノブに手を掛けそっと開けてみれば
「ふふ、見つかっちゃいましたね」
「スプリングフィールド?」
全体的にシックな感じのデザイン、カウンターとそれに合わせた椅子、数は少ないがテーブルもありそれは部屋と言うよりは店内と言ったほうが正しい雰囲気の場所に第五部隊隊長の【スプリングフィールド】がグラスを拭いてたのか手に持ち指揮官を見つめて微笑む、どうやらこの部屋の主は彼女らしい
「え、この部屋は?」
「副官さんにはキチンと通してありますよ、でも指揮官には教えなくていいだろうって」
どういうことだろうか、そもそも副官で止めていい情報って在るの?少々ムッとした顔で思い付く限りの推測を並べてみる。そこで目に入ったのはスプリングフィールドの後ろ、はてとカウンターに近付き見てみれば
「お酒?」
「ええ、ここは休日の日のみに私が趣味でやってるBARです」
「ああ、ナガンが教えなくていいっていうのは私が未成年だからって事か」
「そうでしょうね、でもソフトドリンクもありますのでそこまで警戒するほどではないと思いますけどね」
だよね~と言いながらカウンター席に座る、改めて店内を見れば趣味と言うには些か手がかかり過ぎてるのではと思った彼女だがスプリングフィールドはきっと凝り性なんだろうなぁで一人納得する
一方スプリングフィールドは一通りグラスを拭き終えたのかいつの間にかグラスに注いだトマトジュースを指揮官に渡す
「ありがとってお財布持ってきてないよ今」
「では少々私とお話でどうでしょう?」
「それなら、少々なんて言わずに幾らでもいいよ」
では私も失礼してとドライ・ジンをベースにオレンジジュースを用いたカクテル【ジン・オレンジ】を作ってから指揮官の隣に座る。昼間からお酒を普通に飲みだすスプリングフィールドに驚いた顔をする指揮官
「それはどんなお酒?それに昼間から呑むの?」
「これはジン・オレンジ、好きなんですよ。今回のは弱めに作ってますのでこれくらいならジュースですよ」
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