ハーメルン
TITANUS‐THE TITAN MONSTRAS‐
不正の誘惑
―羽田空港搭乗ゲート前―
1日平均約7万人以上の日本の玄関口の一つとも言われる羽田国際空港、正式名称は『東京国際空港』であり国際線を始め多くの航空旅客機を利用して国内はもちろんのことあらゆる国から入国してくる外国人旅行者などが絶え間なく入国してくれば、出国しようとする者もいた。
「姫様、もう間もなく…搭乗時間となります」
「ええ、わかっていますわ…それにしても、盛大にフラれてしまいましたわね」
国際線アメリカ合衆国行きの便の搭乗時間を待ち続けていたエリアスはバトラカと共に搭乗ゲート前のベンチに座っていた。
「姫様が御望みとあれば…早急にあの愚物を抹殺させていただきます」
「おやめなさい、兄さまたちへの危害を加えると申すならあなたは戦士の顔に泥を自ら塗りますわよ…まったく、あなたのゴジラ嫌いは治りませんの?」
「姫様、こればかりはあなたでありましても御従いする事の出来ませぬ…世界から怪獣の王と呼ばれるあの怪獣には我がインファントの女王の御言葉に従わぬ手前、わたくしは敵と認識いたします」
「それがあの方の性質であると母君も理解していると言うのに…あなたときたら…」
エリアスは額に手を当ててバトラカのゴジラことユウゴに対する殺意とも認識できるほどの敵対感情に頭を悩ませていた。
「しかし、姫様も…そのような格好をされるのはいささか遺憾に思われますが…」
バトラカが危惧するエリアスの今現在の格好はワイシャツの上にブレザーとスカート、宛ら私立高校の学生服を思わせるがれっきとしたGIRLSの制服姿だった。
「宮下アキのGIRLS制服…この御姿であれば私がかのインファントの姫だとは誰にも思われませんでしょう?」
エリアスは自分の容姿と似ているアキと自身の身分の入れ替わりにて大いにバトラカたちを困らせた一件から巻き込んだアキへ自身の姫君衣装とアキのGIRLS制服を互いに交換して得たその制服を着こんで有頂天にも何度も身体を1周回して見せるが一番喜んでいたのはエリアス本人だった。
「この服、気に入りましたわ GIRLS…存外悪くないですわね」
「ご勘弁願います…またあのゴジラの妹と入れ替わられるとわたくしの立場がありません」
今度はバトラカが額に手を当ててうなだれる様に俯いた。
―ピンポ~ン!…ただいまよりペガサス航空542便の登場を開始いたします―
アナウンスを通してアメリカ合衆国行きの便の搭乗開始が告げられて続々と搭乗ゲートを潜る一団がやって来た。
「バトラカ…来ましたわね」
「はい…姫様、我々は本来であれば国連の専用機でインファントに戻る予定でしたが、それをキャンセルしてまで待ちました」
エリアスとバトラカは搭乗ゲートに向かう一団の最後に向かうある少女を待っていた。
「お待ちしていましたわ…クララ・ソーン、怪獣娘キングジョー」
「ワッ、ワッツ!?アギラチャン!?」
スーツケースを引いて搭乗便に向かおうとしていたキングジョーことクララが足を止めてアキに容姿が似通ったエリアスを見るなりアキと間違えるほどに彼女の目は丸くなっていた。
「残念ながらわたくしは宮下アキではありませんわ…はじめまして、インファント王国第一王女のエリアス・メイ・フツアです…こっちは側近のバトラカですわ」
「あっ、あなたガ!?」
自らの身分を明かしたエリアスの素性を聞いたクララは更に驚いたような表情を浮かべて困惑した。
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