EP.15[雨過天晴]
「ヒャハハハハッ! ホラホラどうしたぁ!?」
アズールが城内で戦闘を行っている頃。リボルブも、ジェラスアジテイターとの激しい戦いを繰り広げていた。
ジェラスは森の中で炎を吹き出す斧を片手に、リボルブを追い詰めている。
リボルブの方はというと、銃で応戦しながら逃げ回っている。攻撃が通じないわけではないのだが、ダンピールリンカーのバーサーキングでも相手のパワーに押されてしまうのだ。
そのため、今はデュエルリンカーにリンクチェンジして、城の方に向かって逃走している。城内の狭い廊下ならば、あの大斧も使えないだろうという判断だ。
途中で出の速いファーストコードの『爆』の文字で何度か妨害されるものの、それを避けてリボルブは逃走を続けつつ、ウィジェットからマテリアプレートを一枚取り出した。
「笑ってられんのも、今の内だオラァッ!」
《フィニッシュコード! Alright! ギガント・マテリアルカノン!》
マテリアプレートをセットし、振り向きざまにリボルブラスターで必殺技を放つ。銃口から極大のレーザーが照射され、ジェラスを襲った。
だが、リボルブの攻撃は読まれていた。トリガーを引いた瞬間には、既にジェラスは右方向の茂みの中に飛び込み、レーザーを回避している。
「前に戦った時より反応が速いだと……!?」
今の攻撃は、初めて使う必殺技だった。
それでも読まれてたのは、チャージが長く直線的で避けやすい、大味な一撃だったからだ。
「ヒャァハァ!!」
驚く間に茂みからジェラスが飛び出し、斧をリボルブの胴体に叩きつける。
リボルブは体が燃えると同時に後方へ大きく吹き飛ばされ、強かに背中を地面に打ち付けてしまう。
「ぐ、くっ」
「ククク、俺をザコと呼んだ事……訂正して貰うぜ」
《Roger! サードコード、オン!》
ジェラスがトランサイバーの三番目のボタンを入力すると、ファーストコードの時と同様に掌から大きな『凍』の文字が出現する。
しかしファーストコードの時のような脆さはなく、むしろゴムのような柔軟性を持つようだ。
現れたその一文字が、徐々に形を変えて行く。太く長い胴体に、光沢が特徴的な鱗のある身体。長い舌をチロチロと出すその姿は、青い体色で『凍』の文字が模様のように点々と付いている大蛇だ。
「なんだ!? デジブレイン……!?」
「違うね。こいつは俺の能力で作った疑似情報生命体、名前は『ジェラスネーク』だ」
ジェラスが指をクイッとリボルブに向け、その指示に従ってジェラスネークが動き、毒牙をリボルブに突き立てる。
身を反らしたリボルブの腕をその牙が掠めると、命中した右腕に僅かに霜ができた。
脅威を感じて、リボルブは炎を自分の腕に纏わせて霜を溶かしつつ、ジェラスネークに殴りかかった。
しかしこの大蛇は素早く、攻撃をかわして逆にリボルブの身体に巻き付き、反撃する。締め上げられたリボルブは苦悶の声を発しつつも、全身を炎で燃やして反撃に移った。
「どうだ!?」
「甘い」
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