EP.16[ザ・ニューライダーズ]
翔たちがヴェインコマンダーを討ち、進駒やその被害者らを連れてサイバー・ラインを脱出した直後の事。
スペルビアは、様々な色彩が入り混じったドス黒い空間の中を、チェックメイトモンスターズのアプリを持って歩いていた。
彼の周囲は漆黒の靄のような雲のようなものが拡がっており、時折眼球や手足が覗き出ては消滅を繰り返している。
しばらく移動を続けていると、スペルビアは地面から黒い柱らしきものが突き出ている場所に辿り着いた。柱は全部で七本あり、中央に開いた大穴を取り囲むようにして配置されている。
大穴からは絶えず黒い靄が吐き出されている他、ケーブルが無数に伸びており、それらの全てが柱に接続されている。スペルビアはその穴を見つめ、口角を釣り上げた。
「お待たせ致しました。ようやく一つ、完成しましたよ」
恍惚とした表情でそう言った後、スペルビアは柱の内の一本に近付く。鳥の頭と翼、獣の体を併せ持つ生物のレリーフが彫られており、四角い窪みとコネクタが付いている。
スペルビアはその窪みにチェックメイトモンスターズを差し込み、接続した。すると柱の頂点から黄色い光が溢れ出し、ケーブルもその光を帯びて、次々と大穴に光が吸い込まれていく。
「これであと六つ……私の望みが果たされる日も近い」
パチンッ、とスペルビアが指を鳴らした。
その瞬間に彼の姿は消え、その後も大穴は光を吸収し続けるのであった。
[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:0/13
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク