EP.03[謎の少女]
「ハッ! せやっ!」
どこか歪みを帯びた、白く無機質な広い空間の中、仮面ライダーアズールは専用武装アズールセイバーを振るう。
周囲からはベーシック・デジブレインが次々に湧き出て、アズールに襲いかかっている。特別な力を持たないデジブレインだが、数が集まれば中々に厄介な相手だ。
アズールも前後左右を囲まれ、今にも攻撃を受けそうになっている。しかし、間合いに入ったその時。
「そぉりゃあああ!」
剣を水平に構え、アズールはその場で回転。飛び込んで来たデジブレインたちを瞬く間に斬り倒した。
遠方にもデジブレインたちがいるが、ここでブルースカイ・アドベンチャーを使用して変身した姿、仮面ライダーアズール ブルースカイリンカーの特性が役に立つ。
飛翔して素早く距離を詰め、さらに頭上からのヒット・アンド・アウェイ戦法で有利を取る。デジブレインたちは皆頭を真っ二つにされ、消滅した。
いかに数が多かろうと、仮面ライダーは単騎で一網打尽にできる。では、質を上げた場合はどうか。
アズールが地面に降り立つと、残っていたベーシック・デジブレインたちは次々に結合していく。
「これは……」
帝久乃学園でも見た、データ吸収による形態変化だ。
デジブレインたちはそれぞれ、スタッグビートル・デジブレインとボア・デジブレインに変化する。
「よし、かかって来い!」
アズールの言葉に呼応するように、スタッグビートルが突撃、ボアがそれに追従する。
スタッグビートルの大アゴから無数の光の刃が飛び出し、襲いかかる。しかしアズールは慌てずそれらを切り払い、スタッグビートルの突進はその頭を踏み台に跳躍して回避した。
狙いは背後にいるボア。上空から真下へ、一気にアズールセイバーを振りかぶる。
「そぉりゃぁっ!」
「フゥルルルル!」
「うおっ!」
だが、ボアの交差した分厚い両腕の毛皮と筋肉が、斬撃を受け止めた。
「中々頑丈だな……」
まるで鍔迫り合いでもしているかのように、ボアの腕を剣で圧すアズール。しかしボアは両脚に力を込め、逆に押し返し始めた。
さらにその背後からは、再びスタッグビートルが迫っていた。このままでは挟み撃ちとなるだろう。
だがそれはアズールにとっては、むしろ狙い通りだった。激突の寸前、アズールは再び飛翔し、二体の頭上に移った。
「ギギッ!?」
「フルゥ!?」
必然、スタッグビートルとボアは正面衝突。その隙に、アズールは剣にブルースカイ・アドベンチャーのマテリアプレートを装填してマテリアフォンをかざした。
《フィニッシュコード! Alright! ブルースカイ・マテリアルスラッシュ!》
「そぉりゃぁぁぁっ!」
投擲されたアズールセイバーが、スタッグビートル・デジブレインの頭を貫く。
さらにボアが怯んでいる間に、素早く剣からプレートを抜いて再びドライバーに押し込んだ。
《フィニッシュコード!》
「フゥルルッ!」
「フッ、セァッ!」
拳を突き出してくるボア・デジブレインに対し、アズールは肩で攻撃を逸らしてから下顎へと強烈なアッパーカットを繰り出す。
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