EP.07[殲血のダンピール]
翔がデジブレインと交戦し始めたのと同じ頃。
鷹弘は、トライマテリアラーを駆って現場へと急行していた。
途中フォトビートルから転送されたデータによれば、敵はセンチピード・デジブレイン。恐らくセンチピードは、現段階のアズールの装備では苦戦するはず。
そう判断していた鷹弘は、翔が長く時間を稼げないであろうという事を予測し、トライマテリアラーのスピードを上げていた。
だが、そんな彼の前にベーシック・デジブレインの集団が立ちはだかる。
「あ?」
鷹弘はスピードは緩めない。ホログラフィックパネルを操作し、フロントに備え付けられた二門のガトリング砲で迎撃する。
データの弾丸がベーシック・デジブレインを次々に抹消し、倒し切れなかった者は轢いて潰した。
トライマテリアラーがあればこの程度、変身するまでもない。だが、一体今のデジブレインはどこから湧いて来たのか?
鷹弘はトライマテリアラーから降りて元の場所に転送し、急遽ゲートを探して周囲の反応を探り始めた。
場所はすぐに分かった。近くの廃寺、その中からだ。石階段を登った山の中にあるため、少し時間がかかるだろう。
「……ゲートの管理者を潰すだけならすぐ終わるか」
決断すると、人々に被害が出る前に鷹弘はすぐさま廃寺へと向かう。
それにしても、電子機器もなさそうな廃寺になぜゲートがあるのか? 鷹弘は走って階段を登りながら、そんな事を考える。
しかしその鷹弘の思考を邪魔するように、ベーシック・デジブレインが茂みの中から姿を現した。
鷹弘は咄嗟にマテリアガンを抜き、そのデジブレインたちに発砲する。
威嚇のつもりだったが、たった一発足に命中しただけで消滅した。
「なんだと!?」
これに面食らったのは鷹弘の方だ。
いくらベーシック・デジブレインが弱いと言っても、マテリアガンの一発を足に食らった程度で消えるはずがないのだ。
もしもそんな事があるとすればゲートから遠ざかり過ぎているか、極端にそのデジブレインの内蔵しているデータが足りていないか、あるいは破損状態などでゲートとして不適切な機器を用いているかだ。
いずれにしても、これは。
「誘き出されたってのか……!?」
「コケーッ!」
声が聞こえ、鷹弘は自分の登ってきた階段の方を振り返る。
すると木陰から、今までにアズールが何度も交戦したあのシャモ型デジブレインが飛び出して来た。
その手にはゲートと化しているであろう壊れかけのラジオを持っており、それを握り潰して鷹弘の方へ突進して来た。
直後に、昇り階段側にいたベーシック・デジブレインたちは消滅する。
「クソが!」
進路はあるが逃げ場はない。鷹弘はマテリアフォンを持って一気に階段を駆け上がり、廃寺の前に到着する。
そしてドライバーを呼び出し、即座にマテリアプレートを起動し装填、変身を始めた。
《ユー・ガット・メイル!》
「変……身!」
《Alright! マテリアライド! デュエル・アプリ! 孤高のガンマン、インストール!》
「無駄な運動させてんじゃねェぞコラァ!!」
《リボルブラスター!》
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