十二頁
《…………さて、どうするか》
壁に立て掛けておいた棺桶より適当にショットガンを一丁取り出しながら、鴎は首を捻る。
アメリカ製ポンプアクションショットガン、Kel-Tec KSGを軽く弄りながらこれからの事に思い馳せる。
先程も述べた通り、鴎はコカビエル側。原作的に言うのならば主人公らの敵対勢力に雇われている身であり、そうほいほいと動く事の出来ない身である。
特に鴎は雀蜂をはじめとする自分の手足となる兵が多くいるのもあり、こうして拠点待機に対してノーと答えられない。何せ、頭が動かずとも手足が自由に動いてくれるのだから頭は指示を飛ばすだけでいいのだ。
しかしだ、鴎は決してじっとしていられる様な性分ではない。コカビエルからはこれと言って今のところ指示はない。遊んでいるフリード・セルゼンや啓蒙が足りていない医療教会の末端にもなれないような出来損ないのジ○ムおじさんもどきであるバルパー・ガリレイと行動したくない。
では、鴎はいったいどうすれば良いのだろうか。そう、KSGを弄りながら考えて────
《そうだ、擬態の聖剣を貰おう》
未来の主人公勢力の強化要因をかっさらうことに決めた。
《聖剣はともかく、擬態の能力がとても欲しい》
そう、笑いながら言葉を口にして棺桶を背負い立ち上がる。
メインアームにKSG、トカレフTT-33をサイドに選び空いた手で刺剣を掴み、死銃は嗤う。
偏に退屈が紛れるからであり、聖剣という悪魔に対して有効打に成り得るモノが手に入るかもしれないから。
《────スペードストレート。Aceからfive》
『はっ、装備は』
《RO635を二、装甲兵三》
『了解しました。一分で用意します』
《ン》
嗤って、嗤って、まるで久しぶりに遊びに出る子供のように何処かウキウキとしながら、鴎は死銃は拠点を後にした。
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