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「……?プリンが食べたくてロー〇ンの」
「魔性かロー〇ン」
なるほど、ロー〇ンのプリンが食べたくて外に出た……理解できる。だけども、そんな歳頃の美少女がフラフラとこんな時間に外に出ちゃあかんでしょうよ、タダでさえ美少女なんだから。後二亜には悪いがなかなか良いものをお持ちなんだから……お兄ちゃん心配。
「ウミネコは心配性だと思う」
「おま、自分が美少女だっての自覚してくんない?何時か変な男にホイホイ付いていきそうでお兄ちゃん心配なんだけど……」
「変な人?大丈夫、そこまで私抜けてないから」
「なんとも言えんわアルテミシア」
彼女の名前はアルテミシア。アルテミシア・ベル・アシュクロフト……まあ、わかる人はわかる美少女だ。先程も説明したが彼女も二亜同様俺が世話をしている少女……だがまあ、二亜の様な要介護者では無いので現在俺が仕事で稼いだ金で手に入れたマンション────勿論、防犯セキュリティは万全だ────の一室で一人暮らしをしている。
歳は十八歳になったばかり、俺と同じく駒王学園に通っていて現在は三年生……だが、なんというか天然なのだろうか、こう見えてガチで武闘家男性以上の身体能力があるから不埒な輩に襲われても逆に捻り潰せるのは分かるんだが、無防備に外へフラフラ出るのはなんとかして欲しいものだ。
美少女なんだし、美少女なんだから……もうちょっとね?
ちなみにだが、何か不埒な輩が不埒な考えをしてそれをやろうとしたら俺が狙撃する。……そうだ、護衛でも付けとこう。
「やっぱりウミネコは心配性だよ」
「心配性で何が悪い……まあ、束縛されてると思ってるんなら、仕方ないか……お前の人生だしなあまり口出すのも悪いか」
「そこで引き下がる辺り、ウミネコって甲斐性無しだよね」
「誰が甲斐性無しだよ……別にいじけないわけないから。なんなら、甲斐性だろ俺」
経済的に頼れるやん。二亜もそうだが、俺だって結構稼いでるやん。
何なら、アルテミシアさん。お前の家賃諸々俺が払ってんだよ?まあ、その辺はアルテミシアを分かってるから言わんけど。
「むぅ……それじゃ、帰ろ?」
「おう、待て、俺の手を掴んでマンションへ向かうな。俺もお前も明日学校」
「一日ぐらい休んでも問題無いと思うな」
「なんで、そこでその選択なんですかねぇ……いや、もう、マンションまで送ってくわ。流石に女の子一人で夜道帰らせるのもアレだし」
なんだろうか。二亜ならある程度ツッコミと称して力押しが効くがどうにも彼女、アルテミシアにはそういうのが出来ない。
やっぱり立ち位置の問題なのだろうか……正統ヒロインなアルテミシアと幼馴染系もとい腐れ縁ヒロインの二亜ではやっぱり扱いが無意識的に変わってしまうものなのだろうか。胸か、胸の差か。あ、ロー〇ンで焼き鳥買いたい。
「今夜は、寝かせないよ?」
「帰らせろ」
この後、何かあった訳もなく、ロビーでさっさと別れた俺は帰りのロー〇ンで焼き鳥のかわを十本ほど買ったのだが帰る頃には全部食べ終わっていたのであった。
最初の悩み的なのはいったい何処へ消えたのやら……やっぱ悩みより食い気だよね
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