八頁
鴎は死銃は嗤う。
黒子の様な身なりの男とコートを着てサブマシンガンを持った少女を引き連れながら。
彼彼女は人ではない。そもそも生き物ではない。鴎の保有する神器────『武器製造』はあらゆる武器武装を製造する創造系神器だ。保有者のイメージつまりは想像力とポテンシャルによって大きくその性能が上下する創造系神器であるそれは多分に漏れず、鴎という保有者の想像力とポテンシャルに大きく影響を受けていた。
鴎の『武器製造』は他の同種とは一風変わった性能だった。保有者が想像したモノを作り出すなるほど、そこは同じだ。複数のモノを作り出すには時間もかかるし、精神力も消費する……創造系神器ならば当たり前だ────だがしかし、鴎の『武器製造』にはそんなのはありはしない。
なるほど確かに、魔剣やら聖剣やら魔獣やら特別なモノを創るのは骨が折れるだろう。だが、だがしかしだ。
鴎が創り出すのは銃だ、ナイフだ、弾薬だ、爆弾だ、防具だ────実際に一部を除けば大量生産されて然るべきものばかり。そんな量産品を一々一つずつ時間をかけるなどどう考えたとしても効率が悪過ぎる。
故にそんな鴎の考え、想いを『武器製造』は汲み取り、一度でも創れば型が用意され、創れば創るほど次に創る時間や労力が減少していく。つまるところ効率を伸ばしていく進化を行ったのだ。
つまり、一度目が面倒なだけという至極当たり前の事で…………そんな鴎はより一層の効率を求めた。つまりは動くのが自分一人というのをどうにかしようとして自分の指示に従う裏切らない手足を求めた。
その結果がこれだ。
『戦術人形前線』────兵士の機械化という武器武装の延長線上、兵器とまではいかないその領域、鴎の手足となる意思を持つアンドロイドすら創り出す事が出来る常時発動型の禁手である。
《さて、鏖と言ったが……ふむ、女王は尋問する為殺すな。抵抗しなければ他の眷属も殺さず無力化して捕縛しろ》
「了解」
「ラジャ」
名付き戦術人形である毒ナイフ使いとサブマシンガンは彼より出された命令をすぐさま、同フロア内に侵入した量産戦術人形へと通達し各々の武装を構えてフロアを進んでいく。
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