ハーメルン
赤羽ともう1人のプロデューサー
繊細で怖がりな少女達

琴葉に週に2日に減らされた後(1話参照)
Escapeのユニットの撮影があった。けして〜から逃げるなのくだりでつけた訳では無い。まあ似たようなものだが
そのために事務所から撮影現場に行く必要がある。その為に行こうとしているのだが……

「私が助手席に座るので紬さんは後ろでいいですよ」

「いいえ北沢さんこそ後ろでいいですようちが前に乗りますので」

(もろ紬出てるのに笑いそうになったがなんなんだこれは……)

「榎南プロデューサーさん……どうしましょう……」

と言う顔をしてる感じに困り果ててるまかべーと目が合った。どうしようか
あ、この案良さそうだな
よし柔らかく柔らかく

「おいお前ら」

「「っ!?」」

覇気剥き出しにしてどうすんねーんびっくりしてるじゃないか。紬なんて慌ててるぞ。可愛い

「行き帰りで分ければいい話だろ。早く行くぞ」

そう告げると2人は互いに顔を合わせじゃんけんをした。どうやらうちの事務所は最終的にジャンケンで物事を決めるようだ。
俺はスーツを片手にバッグを持ち劇場から出ていった。













結局行きは紬が隣にいた。こちらをチラチラと見ていたが信号待ちの時に「なんだ?」と尋ねると「い、いえなんでもありません……」と言われた。悲しい
俺はなんでこんなに口下手なのかを恨めしく感じる。
後ろではまかべーと志保が座っているが2人は2人でこちらの様子を伺っているようだ。いつも車内ではこんな感じなんだが今日は違う。
よし、話しかけよう

「おいお前ら」

「「「は、はい……」」」

もうなんか辛い……めげるな俊哉!

この瞬間時が止まったように静かになった気がした。だいたい俺からアイドル達へ仕事のこと以外で話しかけるのは珍しいことでそのせいなのか紬の顔が強ばっている。可愛い

「飯は今日は弁当屋から取寄せではないからな」

と一言告げた。違う今日は俺が弁当作ってきたから食べる?と伝えたかったのになんなん!?あ、紬が移った()

「「「は、はい……」」」

………………それ以後会話は無かった。

やっちまった……








撮影現場に着いた。今日は先程も言ったがEscapeも撮影。
内容は「悲惨な少女達の終宴」だ
これは俺が考えたものでそしてこの3人でないと無理だと考えたものだ
衣装は藍色を基調とした悲哀の感情を想起させる色どりだ

「本当に君のチョイスは凄いよ。私たちの1歩も2歩も上に行くね」

「ありがとうございます。しかしこれくらい当然にやらないとアイドル達を輝かせることはできませんので」

「本当に君は真面目だな。しかしそれをアイドル達にしすぎると君が損するぞ??時にはアイドル達と馴れ合いをするのも一興だぞ」

「善処します」

「君ほどその言葉が信用ならない人間はいないね。全くアイドル達が不憫だよ……」

そんな感じでため息を吐く監督。
765時代からお世話になってる監督だが彼は俺のことをわかっているから会話せずとも意図をくみ取ってくれる数少ない人間だ。

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