そして包囲網を突破して助けてくれた相手を見る。
ラカムだった。
「ありがとうございます。ラカムさん。」
「良いってことよ。それに俺の艇が壊されたら敵わないからな。」
「ラカムさん!教えてください!」
「どうして騎空艇を諦めたんですか?」とルリアが聞く。
「はぁ‥仕方ねえ。教えてやる。」
そこでスネーク達は何があったか聞いた。
艇をもう一度飛べるまでに修理した事、自分の艇で空を飛ぶ事に夢見てたこと、しかし何も問題がなかった筈なのに艇が墜落したことをラカムは語った。
「そういう訳だ。だから俺はやめたんだ。」
「つまり貴様は諦めた‥そういう事でいいんだな?」と俺は呟いた。
「お、おい。スネーク。」とビィ達は俺を止めようとする。
「ああ!そうさ!俺にはこの艇を飛ばす資格なんかなかったのさ!」
「だからどうした?諦めるのか?お前の騎空艇愛とやらはその程度だったのか?」
「スネークさん!そんな言い方!」とルリアが詰め寄ろうとするがカタリナに止められる。
「カタリナ?」
「お前いい加減にしろよ!知った風な口聞きやがって!俺がどれだけ!」と殴りかかってきたため、手首を掴み地面に倒す。
「お前はあの時何が自分に足りなかったのか!何故答えてくれなかったのか!考えたか!」
「もう一度聞くぞ。お前はあの艇をどうしたい?」
「俺は‥」
ラカムは思い出していた。
初めてグランサイファーを見た日、こいつで空を飛びたいと願って修理した日、飛ばした艇が墜落した日。
「俺は!もう一度グランサイファーで飛びてえ!」
「なら行くぞ!もう一度飛ばすぞ!」と新たに仲間になったラカムを連れて艇に戻った。
そこに行くとまだ帝国兵は残っていた。まるで戻ってくるのが分かっていたかのように。
「あれ〜?わざわざ死にに戻ってきたんだ。」
「なんだ?このガキは?」とラカムが言った。
「お前まで僕の事を子供扱いかよ!もういいや。僕は帰るから、そこの眼帯と髭は殺しておいて。」と去っていった。
兵士たちは戸惑ったが、すぐに剣を抜き、臨戦態勢に入る。
さすが帝国と呼ばれるだけあるな。
俺たちが何もなしでここに戻ってくる筈がない。
作戦はこうだ。
ラカムが一人でグランサイファー内部に入り、動力の確認及び調整。それが終わるまで後の俺たちで食い止める。
事前にルリアの能力でティアマトが上にいる事は分かっている。
しかし初めて聞いた時は驚いたな。
向かってくる兵士達を食い止めるべく俺たちは武器を抜き、立ち向かう。
そして10分後、ラカムがようやく艇から顔を出した。
「できたぞ!早く乗れ!」
その声にグラン達はすぐに乗り込んだが、俺は乗らなかった。
「スネーク!早くしろ!」
「俺抜きで行け!俺はここで食い止める!」
「分かった!死ぬんじゃねえぞ!」とラカムが言った瞬間、騎空艇から小さな影が落ちた。
「よう!おっさん!一人で何カッコつけてんだよ。」
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