が、歴戦の蛇がそんな事で死ぬ筈がない。ナイフを持つ手首を掴んでいた。
「くっ‥」掴む手を振りほどこうとするがスネークの力が強いのか、振りほどく事ができない。
「せいやぁぁぁ!」と左手で相手の手首を掴みながら相手の顎を掴み、足を刈って地面に叩きつけた。
「ぐあっ!」相手は突然の出来事に受け身が取れず、地面に後頭部を叩きつけられ、伸びてしまった。
一瞬、帝国兵達は何が起こったか理解できていなかったが、すぐに仲間がやられた事に怒り、剣を抜いて襲いかかってきた。
スネークは瞬時にナイフとM1911を構え、迎え撃った。
先程一人といったが、スネークはこういう事を予測して、村人を全員逃した。
田舎の村だからとナメて剣士だけで来たお陰で銃を使わず、CQCだけで迎え撃つ事が出来た。
スネークは現在弾は9mmパラベラム弾を使っているが、そんなものこの世界で手に入らない可能性の方が高い。
この世界の銃はフリントロックのものばかりで自分が使ってる銃は見た事がない。
斬りかかってくる敵を投げ飛ばしたり、殴り飛ばしたりしていくうちにどんどん数を減らしていき、立っているのは隊長格だけだった。
「くそっ‥剣相手に素手でしかも圧倒されるとは‥貴様は化け物か!」
「ふっ、違うな。俺はただの傭兵だ。」
「傭兵か。ならば!うちに来い!雇ってやる!」
「黙れ。今の俺はこの村が正義でお前らが悪。そう認識している。」
「ならば仕方ない。死ね!」と剣を腰に構え突っ込んでくる。
突きか!
そのまま受け止めようとした時、剣がかすかに燃えた。
「うおっ!」と横に緊急回避をした。
「はははは。俺がただ剣を振り回すだけに見えたか?甘いな。俺は少しなら魔法が使えるんだよ!」と火がついた剣を振るう。
その動作で火が揺れた。
「それ!」と斬りかかってきた。
「はっはっはっ!どうした?部下にやったみたいに投げ飛ばしてみろよ!」
「くっ!」
できるならそうするところだが、刃の全体が燃えている為、手が伸ばしにくいのだ。
どうする?このままではいずれ剣が当たる。
剣に毒が塗られてる可能性があるし、あの火だって当たったらアウトかもしれん。
「胴がガラ空きだぜ!」
その声を聞き、後ろに跳ぶ。
さっきまで自分がいたところを刃が通る。
前を見るが、いない。
「こっちだ!!!」と頭上から剣を振り下ろしてくる。
「今だ!!」
俺は剣のグリップを奴の手ごと握り、止める。
「ぐっ、離せ!」
相手は剣に夢中になっていて他が疎かになる。
俺はそこを見逃さず、膝を蹴る。
「がぁっ!」
崩れ落ちそうになったところを剣を奪い、側頭部に回し蹴りを叩き込んだ。
敵は吹っ飛び、地面に倒れた。
俺はすぐそいつに近づき、銃を向けた。
「剣と魔法を使っていたな。考え方はおかしくない。だが目の前の敵にばかり集中して周りを疎かにするな。だから素手の相手に圧倒されるんだ。もっと魔法を極めるべきだ。剣と魔法を用いた戦い方をするならな。だが剣さばきは見事だった。良いセンスだ。」
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