ハーメルン
貴方は何トリア?私はアル………アサトリアだ!※アサトリアのアサはアサシンのアサである。
第4聖 麻帆良の地
尊皇攘夷派による倒幕から100年ほどの月日が経った。
その間にも様々な出会いと別れがあったのだが割愛する。
俺達は50年前にあった冬木市の第3次聖杯戦争を終わらせてからその余韻に浸りつつも日本列島を北上している。
勝利し、願った事はジャックと総司を英霊化させる事だ。ジャックは霊故に行動が制限されていたし、総司に関しては全て遠き理想郷で無理矢理生き長らえさせていたので、英霊化させる事で全て遠き理想郷が無くとも生きる事が出来るようにした。
そこから50年が経った今はのんびりと日本中を旅していたのだ。朝昼はのんびり寝て過ごすか、着いた街の散策。夜には超高性能キャンピングカーで移動をする。
そんなあたりざわりなく過ごしていた。
今は次の街に向けて移動をしている。
因みに、運転をしているのは俺である。騎乗EXは伊達ではない。総司とジャックは炬燵に入ってトランプをしている。
そう言えば、土方と別れた後総司は鬱状態になり暫くは大変だったが、今は立ち直っている。ただ、俺が女性と話をしたりする時に目からハイライトがよく消えるのだが………あれか、ヤンデレってやつか?
それはおいおい考えるとして、そろそろ次の街に到着する。
右の角を曲がると大きな街が見えて来た。しかし、同時に何かの結界内に入った感じがした。
「およ?何かを通り過ぎましたが構わないのですか?」
トランプをしていた2人も気がついたのか問うてくる。
「構わん。ステルスを既に起動しているから大抵のことでは見つからん。」
暫くして日本では絶対にありえない巨木を見つけ、その根元にキャンピングカーを停める。
「それにしても、この木大き過ぎませんかね?」
キャンピングカー………そろそろ名前をつけたほうがいいか………の窓から外を覗きながら呟く総司。ジャックは眠たいのかウトウトしだしている。
「あぁと、ジャック。眠たいなら寝てもいいぞ。布団まで運ぶから。」
「…………うん………お休み………Zzz」
「よっこいしょ!総司、お前もそろそろ寝ろよ?明日は観光するんだから。」
「はぁい。」
俺はジャックを寝床に寝かした後、自分の寝床に入って寝た。
寝ている時に誰かが入って来たが、あまり気にせず眠り続けた。
✲✲✲
次日
「ふわぁああ。よく寝…………何故ジャックではなくお前がここで寝ている。って、此奴爆睡してやがる。」
いつもならジャックが侵入してくるのだが、今日は何故か総司が侵入していた。
その事に呆れつつ布団から出て、ふと気が付いた。
俺氏、成長止まってね?だって、第3次聖杯戦争の時に総司と身長が全く同じだったのに………目算だが今も全く同じように見える。
「…………フッ、どうせ俺はアルトリアと同じ様に小さいんだよ。」
そこで、全て遠き理想郷の不老が発動している事に気が付いた。
どうやら、FSNのアルトリアの身長に追い付いたらしい。
「……………………アルトリアとは、誰デスカ?」
そんな事を思っていたら突如背筋に怖気が走った。直ぐに振り返ると、いつ起きたのか総司が背後に立っており、目元が暗く表情が見えない。
「…あ、えぇと………故人だよ、故人。俺の持つ力を持っていたある王様さ。全て遠き理想郷の保持者でね、今日俺が全て遠き理想郷の保持者にされたんだよ。」
「………へぇ、尊敬しているんですね。」
事情を説明したらいつもの表情に戻った。理解してくれたらしい。
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