ハーメルン
仮面ライダーW&ドライブ Eの復活/ライダー捜査線
第19話

俺達は風都ホールへ戻った。
明らかに重い空気が漂っていた。無理もない。俺達の本丸だった警視庁を襲撃され、警視総監は行方不明。さらに徳川清山もネオシェードの手に渡ったのだ。警官達も何を信じていいのか、何をすればいいのか分からないんだろう。
「一条さん。」
俺は一条に声をかけた。
「左君、無事だったか。」
一条は優しく言ったが、同時に失意も感じられた。
「すみません!僕達が居ながら、徳川清山を…。」
泊が一条に頭を下げた。
「それを言うなら、僕にも責任があります。G5ユニットの主任だってのにネオシェードの影に気づかなかったんだ…。」
尾室も落胆していた。
「尾室さん…。」
氷川が呟いた。
「…相手が上を行きすぎていたんだ。僕達だけでどうにかできた問題じゃない。」
フィリップがフォローした。
「その通りだ。君達の責任ではない。」
一条が言った。
「しかし、警視総監も失うとは…。このままでは警察組織としての機能が…。」
照井が言った。
「…けどよ。また新しい仲間も増えたぜ。」
俺は、後藤を指して言った。
「後藤さん、まさか?」
泉は既に知っているような反応だった。
「ア…。いや、泉刑事。その通りです。俺は仮面ライダーバースとして復帰しました。」
後藤が言った。
「確か、君はG5装着員では?」
氷川が言った。
「バースはセルメダルを用いて変身する仮面ライダーですが、変身する度にそれを消費してしまいます。さらにそのセルメダルには数の限りがある為、この力を使うには慎重にならなければならなかったんです。それで、バースに頼らずに戦う選択肢としてG5に志願した訳です。
事態が事態なので、出し惜しみしている訳には行きませんから、バースとして戦います!」
後藤が答えた。
「こちらにも有志がいるぞ。」
照井が一人の警官を指して言った。
「仮面ライダーガタックに変身する加賀美新巡査。加賀美警視総監のご子息だ。」
「…。」
加賀美は黙ったままだった。
総監が父親ならば、その安否は気になるはず。大切な人を亡くす辛さは誰よりも解っているつもりだ。
「大丈夫か?」
俺は思わず声をかけてしまった。
「…ああ。俺も戦う。これ以上あいつらの好きにはさせない!」
加賀美は活気を取り戻したようだ。
「だが、これからどうする?結局やつらの足取りが掴めていない上に、こんな状態じゃ捜査だってままならないぞ。」
言ったはいいものの、誰も返事しようとしていなかった。

「あれ?何か辛気くさくなってない??」
剛が戻ってきた。
「剛…。」
泊が呟いた。
「それに、なんだか新顔のお巡りさんもいるし。」
剛は後藤と加賀美を見て言った。
「あぁ。新たに協力してくれるライダー達だ。」
一条が答えた。
「あのな、剛。警視庁も襲われ、総監も行方不明。組織も壊滅的で捜査もままならないから、ネオシェードの足取りも掴めないんだ。こんな状態で明るくいろってのが無理な話なんだ。空気読めよ。」
俺は剛に悪態をついてしまった。
「まぁ、そうなんだけどねぇ。けど、ネオシェードの所在なら何とかなりそうだぜ!」
剛が自信たっぷりに言った。
「どういうことだ?」
朔田が聞いた。
「ほれ。」
剛は懐から黒いシグナルバイクを取り出した。

[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/4

[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク
携帯アクセス解析