ハーメルン
仮面ライダーW&ドライブ Eの復活/ライダー捜査線
第5話

後に残ったのは、俺達事務所の三人、照井竜、そして警視庁の青年だった。
「突然ですまなかったな、所長。」
照井は妻である亜樹子に言った。
「竜くぅん。いつ帰ってきたの?」
「つい先ほどだ。」
「あ、照井警視。噂の奥様ですね!」
警視庁の青年が言ったが、照井は睨み返すだけだった。青年は察したようで、小声ですみませんとだけ呟いた。
「照井、説明してくれ。何が起きてんだ !?」
俺は照井に尋ねた。
「俺に質問するな。」
照井の口癖が炸裂した。
「言ってる場合か!こっちはこっちで大変なことになってんだ!!」
俺は引き下がらず、今まで起こっていることを照井に伝えた。それを聞き、照井も驚きを隠せなかったようで、俺の問いについて答える気になったようだ。
「そんなことが…。いいだろう、まずは彼を紹介しよう。」
照井は青年を指して言った。
「彼は警視庁捜査一課所属の刑事で特殊状況下事件捜査課巡査長の…。」
「泊進ノ介です。」
照井の後に続き、泊進ノ介が挨拶をした。
見た目は俺よりも幾分か若い。フィリップよりは少し上くらいか。だが年齢に反してそのキャリアだとしたら、彼は能力の高い警察官なのだろう。
「警視庁の人間が、何故風都に?」
「実は、都内で暗躍しているあるテロリスト集団の捜索をしていまして、それを追って風都にやって来た次第です。」
泊が答えた。
「テロリスト?」
「その名は、"ネオシェード"。」
ネオシェード。聞いたことがある。都内を中心に暗躍していたテロリスト集団だった。
「たしか、ネオシェードは数年前に、当時リーダーだった岡村敬助が逮捕されたことで壊滅したはず。」
フィリップは泊に尋ねた。
「ああ。泊巡査長が逮捕した。それで終わったはずだったんだが、最近になり残党が活動を開始したんだ。」
泊に変わって照井が答えた。
「ネオシェードの活動を調査していく内に、風都で出回っているガイアメモリが絡んでいることがわかったんです。」
続けて泊が答えた。
「ガイアメモリ関連の事件となれば、我々、風都署超常犯罪捜査課が動かずにはいられない。それで俺は東京へ出向き合同捜査という形をとったという訳だ。」
「それで竜くんは東京に…。」
亜樹子が言った。
「そして、ネオシェードの元構成員が風都に潜んでいると聞き、我々公安も同行してきたということです。」
泊が説明した所で、俺はあることに気づいて言った。
「ちょっと待て、さっき連れていった男。あいつも元ネオシェード構成員だったって言ったな!?」
「そうですが?」
泊は答えた。
俺は件の被害者の顔写真を泊に見せた。
「こいつらに見覚えがないか?」
「この人達は…。」
泊は一度息を飲んだが、続けて言った。
「すべて、元ネオシェードの構成員だ…!」
「だとするなら…、メモリ使用者は全て元ネオシェード構成員。つまり、あのアサシンも元ネオシェード構成員の可能性が高い。」
フィリップは今までの事象を整理しながら言った。
「だが、まだ引っ掛かりがある。」
照井が口を挟んだ。
「全員が"元"構成員というのはどういうことなんだ?残党とはまた別なのか?」
「はい…。後でわかったことですが、彼らはネオシェード壊滅前に組織から離脱した者達です。離脱した後は身分を伏せ一般社会に溶け込んでいたはずですが…。」

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