ノンフィクション
黒に堕ちる 作者「天城レナ」
天城レナの処女作であり、若者を中心にカルト的な人気を博した鬼作。朝が来なくなり、荒廃した東京を舞台に主人公の少年が強かに生きる様を描いた小説である。
等身大の少年と、個性の強い大人達の人間関係の加減、多少含まれるエログロ描写、予想の出来ない展開等がSNS等で拡散され、鬼才「天城レナ」の登場を堂々と世間に示すこととなった。
また、度重なる重版により、作中にて重要なファクターとなる「新宿」の書店にて、急遽サイン会が決定される。ペンネーム通り天城レナは女性であり、年齢も二十三歳という若さ、そして何より非常に整った顔立ちをしていた為、ファンは急増。テレビ等でも、「美人過ぎる小説家」と取り上げられることとなった。
真っ赤な嘘 作者「天城レナ」
「黒に堕ちる」にて鮮烈なデビューを飾った天城レナの第二作。前作のファンタジックで仄暗い印象とは打って変わって、恋愛小説となっている。自分の小指に「赤い糸」が見える世界で、嘘を吐き続けて生きてきた詐欺師の少年が赤い糸の先を見つけ、想いを実らせる為に奔走する物語である。
少年が詐欺師となった理由、そして恋の行方が「あまりにも切ない」と女性にヒットし、処女作の売上を超えるヒット作となる。同作について某雑誌にて取材を受けた際、天城レナは「嘘も吐き続けば真実になる。私は自分の作品がいつかフィクションじゃなくて、現実になってくれたらいいなって思います」とコメントした。
週刊秋藤 九月第二週号 特集ページ
某雑誌にて天城レナが彼女の作品「真っ赤な嘘」の取材を受けた際のコメントが掲載された二日後、彼女の処女作「黒に堕ちる」の作中に登場する殺人事件と酷似した事件が発生。逮捕された犯人の住居からは天城レナの小説が見つかり、特集ページでは天城レナの作品のエログロ描写の異常性や、その描写が読者に与える影響、若者の影響されやすさ等を過大的に捉えて批判した。
この記事を皮切りに様々なメディアが天城レナに対して様々なレッテルを貼ることとなった。「鬼才天城レナは新たな宗教の教祖!?」「反社会主義者」「人殺しとレイプに性的興奮を覚える変態!?」等々。天城レナは自らの処女作を模した殺人事件について「捉え方を間違えましたね」とコメント。このコメントも少々世間の場を荒らすこととなった。
雑食 作者「天城レナ」
天城レナの三作目は短編小説だった。その内容は遭難した親子の物語なのだが、腹を空かせた子どもが幻覚を見て、母親を食べてしまうという凄惨なものであった。彼女の小説を模した殺人事件があった直後にこの作品が発表された為、彼女の異常性を指摘する批評家も少なくなかった。しかしそんな世間の炎を気にすることなく、この短編小説もまた例に漏れず多数のファンを惹き付けることとなった。
某雑誌 天城レナ特集
作品が発表される度に世間を賑わせ騒がせ、太陽のようにその名を轟かせた天城レナ。「真っ赤な嘘」の発表時に彼女の取材文を掲載した某雑誌が、天城レナに再度取材を申し込んだ。今回は「雑食」についてではなく、彼女そのものにスポットライトを当てた特集記事となる。
天城レナは取材の中で敬愛する小説家を聞かれており、彼女はその問いに「高槻泉ですね。漫画の中に出てくる小説家なんですけど」と答えている。「東京喰種っていう漫画に出てくる小説家さんなんですけど、漫画の中に高槻泉が書いた小説の一節なんかが出てきたりするんですよね。その一つ一つが、すごく好きで。……これあれですね、東京喰種の作者さんが好きです!っていうのと同じですね(笑)「雑食」も、リスペクトの意味を込めて人を食べる、という描写を取り入れました」と嬉しそうに語っていたらしい。
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