#1
声の聞こえた方へ向くと、隣のボックス席にいた亜麻色の髪の毛の女子中学生が立っていた。
その女子中学生は、少し愛らしい微笑で俺に語りかけてくる。
「驚かせてごめんなさい。突然で申し訳ないんですけれど相席させてもらえませんか?」
「えっ? なんで?」
速攻でOKを出さなかった俺に彼女のまゆが少し動くのを見逃しはしなかった。
こいつ、絶対即答で相席を了承してくれると思っていたに違いない。
こいつはやべぇぞ。できればあまり関わりたく無い。
「周りをみて下さいよ。お客さんいっぱい入ってきてるじゃ無いですかー? それで1人ボックス席ってなんか居心地悪いじゃ無いですか?」
おいおい、さっきの丁寧な口調はどこに消えたよ?
一気にフランクになったな。
「それはわかるが、カウンター席まだ空いてるじゃん?」
「カウンター席だと狭いんですよねー」
「わがままかよ」
「そういうわけなんで、相席お願いしても良いですか?」
ぺこりと腰を折り、浅すぎず深すぎない礼をされてた。
仕方ない。ここまでされたら流石に断れない。
余計に食い下がられても面倒くさいだけだ。
まぁ、俺も丁度1人ボックス席で居心地が悪かったが、相席ならそれも相殺されそうだしな。
「まぁ特別断る理由も無いし、どうぞ」
そういって向かいの席へ手のひらを向けて彼女を迎え入れた。
「ありがとうございます」
少し顔を傾けはにかむような笑顔でいわれた礼に悪い気はしなかった。
俺の頬に少しだけ熱が籠もったのは内緒の話。
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