#8
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食事を終え、店から出る。
店前に並んでいる行列は俺たちが並んでいた時より長くなっていて早くこの店と出会えて良かったと心から思った。
「ふぅー美味しかった〜お腹いっぱいだよ〜」
お腹をさすりながら小町は満足げにそう口にした。
確かに、濃厚なつけ汁と太麺は来て良かったと本当に満足できるボリュームでありクオリティーだった。
店名は個人的に気に食わんがまた来よう。
「あ、あと、ありがとうございます、奢ってもらって」
この人いつの間にか会計を終わらせていたのだ。
食券タイプの先会計だとそういうのはすぐ分かるんだけれど、後会計だと直前まで分からないんだよなー。
「あぁ、気にすることはない。良い食事ができた礼だ」
やだぁ、ちょっとときめくじゃねぇか。
なにこの人、マジモンのイケメンじゃねぇか。
もしかして少女漫画によくいる花しょってる系イケメン?
「では、私はそろそろ行くとするよ。2人ともこれからの休日を楽しんでくれ」
「はい、そのつもりです〜」
小町が元気よく答えると平塚先生はあぁと微笑を小町に見せ答えた。
そして平塚先生は俺に視線を向ける。
「比企谷、何か相談があるなら私を頼れ」
「いきなりなんですかね。まぁ…考えておきます」
「教師らしいことをするのも1つだと思ってな。それでは行くとしよう」
そう言って平塚先生は俺に背中を見せ去って行った。
彼女の背中を見送った後、また小町が腕を組んできた。
「さて、おにぃちゃん。どこ行こっか?」
どうやら今日1日、小町に付き合わされるみたいだ。
とりあえずゲーセンとか行ってみるか。
「ゲーセンでも行くか」
「あーいいねぇ〜、メダル落とす奴やりたいねぇ」
「んじゃ行くか」
「うんっ」
昼下がり、青々とした空の下、兄妹は休日の談笑を楽しみながら歩みを進めた。
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