14.魔人戦争
GI450
人類圏に行われた魔物狩りに好戦的な一部の魔人が我慢できなくなって聖魔教団に攻め込んできた為に魔人戦争が勃発した。
開戦当初はケイブリス、メデュウサ、レッドアイの三人の魔人だけが参加していたが、闘将パステトがたった一人で二千の魔物を倒してしまい、それを知ったノス、レキシントン、ガルティア、レイといった武闘派の魔人たちが聖魔教団に興味を持って次々に参加したのだった。
初期にはこれだけの魔人が参加していることから聖魔教団は早期に敗北するだろうと、魔人たちは思っていた。
しかし、戦線が膠着していて勝負がつかない状態になってしまった上に、レキシントンが人間の仕掛けた罠にはまって死亡してしまうというハプニングが発生してしまった。
無敵である筈の魔人が人間如きに殺されるとは思っていなかった魔人たちはこれに驚愕して、聖魔教団を危険視した為に、本来人間に無関心な魔人や戦いを好まないはずの魔人たち(ジーク、ケッセルリンク、パイアール、アイゼル、メガラス、ハウゼル、サイゼル)も参加して、おまけにケイブリスに命令されてバボラがよく考えずに参加した。
こうして、この魔人戦争に脱落したレキシントンを除けば14人もの魔人が参加する事になった。
GI470
「見事に膠着状態ね」
闘神都市ソドム上層部に建設されている城(通称エリーゼ城)の玉座に座った私は戦況を確認していた。
開戦から二十年が過ぎた現在、地上では闘将や人造人間たちが魔軍と激しくやり合っていた。
原作では準備不足の為に対魔物戦力として予定していた闘将を闘神の護衛に回して魔軍には蛮人に対処してもらわざるを得なかったが、この世界では十分な数の闘将が用意されていた上に戦闘用人造人間も揃っていたので、魔法が使えない蛮人は前線投入させる事はなかった。
上空の闘神都市では飛行タイプの魔物が攻め込んでくる程度で、それらはα~Ωの場合は配備されている防空ドラゴン部隊の迎撃にあって、ソドムとゴモラの場合は装備されている対空レーザー砲の餌食になっている。
そう、対空レーザー砲は極めて有効だった。
レーザーを無効化するディストーション・フィールドを当たり前に使っている私たち監察軍には実感しにくいが、この世界の連中には対空レーザー砲による迎撃システムはかなり有効だったのだ。
これは『マブラヴ』の世界で光線級のBETAが超音速のジェット戦闘機すら駆逐してしまった事を考えれば当然だが、音速すら越えられないモンスターではレーザー砲の的にしかならないからだ。
あまりに有効すぎて折角防空戦力として用意したロボット兵が使えないほどですよ(笑)。
勿論、これは魔物の話であって無敵結界を持つ魔人にはレーザー砲では撃退できないが、魔人たちは闘神都市に直接乗り込むのを避けていた。
「まぁこの状況は原作と違って魔人たちが闘神都市の攻略に及び腰になっているからだろうけどね」
そう、原作では魔人戦争時に魔人たちの間で闘神落とし(闘神都市の撃破)がゲームとして流行して撃破した闘神都市の数を競い合っていたが、この世界ではそういったゲームは発生していない。
「エリーゼ様、やはりレキシントンの死亡が大きいのでしょう」
と、リーラが声をかけて来た。
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