17.エウロペアの十二賢者
大破壊によって旧世界は滅び、世界は荒廃してしまった。私たちは旧世界の科学者の生き残り(老人たち)の集団と世界の再建と管理の為に協力していた。
その過程で、老人たちが前々から研究していたエルフの改良が進んでいた。
エルフはファンタジーで登場する亜人だが、この世界では数世代にもわたって霊的遺伝子的改良を進めて作り上げた人工種族である。エルフは通常の人間よりも知能が高く魔力が強い上に寿命もおよそ1500年まで拡張された存在だ。
そのエルフたちによってエルフ神聖四親皇家が作られるが、私たちはそのエルフたちを束ねる立場になっていた。
その時には私とアイシャ以外は自らをエルフに人工進化させており、私たちはエルフを含めた人類からエウロペアの十二賢者と呼ばれる存在になった。外部からすればエルフの老人十人と人間の少女二人による集団だったから奇異に見えたかもしれないね。実際エルフたちも疑問に思っていたようです。
それと私たちがエルフにならなかったのは、私たちの体を下手に弄ると逆に弱体化する恐れがあるからだ。私たちは死神によって様々なチート能力をこの身に宿しているが、異種族に改造するという行動をすればそれらが損なわれる確率が高い。そもそもエルフにならなくともとっくに不老長寿になっているから必要ないのだ。
ちなみに原作では十賢者だったのに、この世界では十二賢者なのは私とアイシャが加わった為だ。
さて、エルフという人工種族を創造できたように霊子力を応用した科学はもはや魔法の域に到着しており、ドラゴンなどのファンタジーな存在まで作り出せるようになった。
そんな中で私たちがやっているのが霊子動力炉の改良だ。
これは原作ではキング・クリムゾン・グローリー(以後KCG)、通称『方舟』の動力炉として使われていた物で、エルフたちの持つ霊子力を動力源にして臨界運転を行えば宇宙開闢(うちゅうかいびゃく)に匹敵するエネルギーを発することも出来る代物だった。
その様に霊子力は原子力をも上回る高エネルギーを得られる上に、無限にして完全無害というこの世界における究極のエネルギーだ。
何しろ火力発電と違って一々燃料を投入しないといけないという事もないし、原子力発電の様に暴走すると放射能汚染の危険があるということもない、とてつもない優秀ぶりだ。
しかし、この霊子動力炉の小型化は実現できていなかった。というもの霊子動力炉は人間の魂の力を収束して活用する物である以上、多数の生きた人間を内部に取り込んでおく必要がある。
この多くの人々と、その人々を生存させるための生命維持装置を内包しないといけないという構造からどうしても霊子動力炉が巨大化してしまうのだ。
そこで思いついたのが『魔法少女まどか☆マギカ』のソウルジェムと、GS世界で登場したアシュタロスのエネルギー結晶だ。それらの様に魂を加工すれば解決できると考えた私たちはその実験を行う事にした。
この実験には霊的に優れたエルフのクローンを大量に使用する事になった。情け容赦なく大量生産したクローンたちをすり潰して試行錯誤を繰り返した末に実用化に成功した。
何かやっていることがどこかの学園都市のマッドサイエンティストのようです。実際、妹達のようにクローンを大量生産して魂の抜き取って抜け殻になった肉体は廃棄処分していますから、その所業は外道の一言でしょう。これには老人たちでさえドン引きしていましたね(汗)。
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