Chapter 0-2
「さて……と、じゃあまた明日な」
鞄を持ち、図書室へ向かおうとする
海道「結局変わったままか」
「今更断るのもな」
和奏「あ、保科、ちょい待ち」
「ん…??どうした?」
和奏「これ、保科に」
「誰からだ…??」
手紙を貰う覚えの無いので聞く
和奏「おっと、それは開けてからのだね」
……うっ…
手紙を受け取った瞬間とんでも無く異常なまでの執着を感じ取った
なんだ…!?これ…吐きそ…うだ
「わ、わかった……」
────
図書委員「これを、パソコンに打ち込むだけだよ?分からなかったら聞いてね??」
「はい、ありがとうございます」
図書委員「こっちこそごめんね?」
「あ、取り掛かっておくので委員のお仕事頑張って下さい」
そう言うとパソコンを立ち上げ、入力をしていく
──
「んー……」
以外と早く終わった……
委員「あ、もしかして終わった?」
「はい、終わりました」
委員「仕事早くて助かるわー、後は大丈夫だよ」
「では、お先に失礼しますね」
委員「はーい」
割と早く終わったし、家に帰って手紙でも開けてみるか…
────
手紙の中身には、綺麗な字でオレ宛である事が書かれていた
『明日の放課後、ついてきて欲しい所があるので、お迎えに行きます。 綾地寧々』
綾地寧々さん……確か…隣のクラスで容姿端麗で人当たりも良く、裏表の無さそうな人……というのが第三者目線らしいが……オレは違う…あの人は俺を見る時……異常な好意、憎悪、怒り、悲しみ……それをごちゃ混ぜにしたような目で見てくる
正直に言って
「行きたくない……」
でもオレが行かなかったらおそらく綾地さんは傷つくだろう、それならオレが我慢すれば良いだけだ
………料理しよう
雑念を振り払う様に、ロールキャベツを作り始める
────
太一「ただいまー!」
「おかえり、父さん」
太一「母さんにも、ただいま」
そう言うと一枚の写真に手を合わせる
「今日の夕ご飯、ロールキャベツでいいか?」
太一「柊史…何時に帰ってきたんだ…煮物って…」
「ロールキャベツが食べたいって言ってたから作ったのに…」
太一「わーい!父さん嬉しい!」
「あ、父さん。もしかしたら明日は遅くなるかもしれない」
太一「分かった、じゃあ明日は外で済ませてくるよ」
「悪いね」
母さんはオレが物心つく前には亡くなっていた。なんでも、事故だったそうだ……オレは、あまり母さんの事を聞かない。別に父さんが話さない訳じゃない、むしろ、いい女だったとか、最高の奥さんだったとかいつも明るく言ってる
「………オレはなんでこんな力を…」
オレにある能力……この能力が無ければ、きっと綾地さんに呼び出されてるのもさほど苦じゃなかったかもしれない…いや、そもそも綾地さんに苦手意識なんかを持たなかったかもしれないのに
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