仮面ライダーDREX DREXファーストストーリー
北海道、近年恐竜の完全骨格が発見されたことで日本の恐竜研究において重要な地の一つになっている。
北海道博物館、北海道にあるあらゆるものを展示するそこには近年の恐竜研究により古生物の研究を行う部門が開設された。まだまだ規模は小さいものの、道内外から有力な研究者が研究に協力していることで知られている。
三笠龍太は恐竜好きが高じて、この博物館の古生物研究部門にアルバイトとして働いていた。
「当博物館の目玉であるカムイサウルスの全身骨格、そのレプリカです。」
今、龍太は来場している小学生の見学の案内を行っていた。一際目立つ場所に展示されているのは北海道鵡川穂別町で発掘された草食恐竜、カムイサウルスの骨格標本だった。
「この、カムイサウルスのことを知っている人?」
早速、展示されているカムイサウルスについて小学生たちに質問をする龍太。だが、小学生たちは龍太の質問に興味を示さなかった。この状況に内心では肩を落とす龍太。流石に専門的な内容となれば小学生では難しいことを理解している龍太は気を取り直して展示ブースの案内を続けた。
「本日はありがとうございました。」
「いえ、こちらこそ見学をさせていただきありがとうございました。」
引率に来ていた小学校の教師に礼を言う龍太。
「龍太君、ありがとう。無理を聞いてもらって。」
「ん、いや。室長も良いよって言ってくれたから何も無理なことは無かったよ。」
その小学校教師、龍太の幼馴染である武川唯奈は龍太に礼を言う。
「それじゃ、私はもう戻るね。」
「あのさ、案内中に気になる子が居たんだ。」
その中で龍太は唯奈に気になった児童について耳打ちする。
「ああ、蓮司君ね。最近、お母さんが変な宗教にはまり出しているの。」
「クトローリアン?」
「そこまでは。」
唯奈はその気になる子が自身の受け持つクラスにいる子だと気付く。
変な宗教という言葉に龍太はここ最近、自身の生活に関わるようになってきたカルトの名前を口に出した。
唯奈はそれは分からないと言い、蓮司のことは自分に任せて欲しいと言って二人は別れた。
クトローリアン、新興宗教として突如として現れたその教団は最初はアメリカにある港町が発祥だと言われている。当初は流行りものに強い関心を持つ若者が入信するばかりだった。だが、最近になって他の新興宗教団体とは違う点が目立つようになってきた。どこか中世ヨーロッパの悪魔崇拝に似たような活動が出てきたのだ。そのどれもが魚に似た怪物の目撃情報と共に語られ始めていた。それと同時期に怪物による事件が首都東京から始まった。それからほどなく他の大都市でも怪物による事件が始まった。当然ながら、ここ北海道札幌市でもその事件が始まった。
そのクトローリアンについて、龍太はとある事件から浅からぬ因縁があった。
「さて、どこまで首を突っ込むか。」
龍太は蓮司の表情から何やら穏やかではないことを感じ取っていた。それに、ここ最近関わるようになったクトローリアンの事件でよく見る表情だった。
龍太は警察ではない、一介の博物館の職員である。だが、相手の心を知らない青年ではない龍太は自身のできる限りのことをしようと心に決めた。
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